アイスホッケー・アジアリーグの王子イーグルスは28、30、12月1日、ロシア・ユジノサハリンスクでサハリンと対戦する。リーグ3位(勝ち点36)で優勝争いの好位置につける王子は、ひがし北海道クレインズ戦で2試合ともに激闘の末、勝利をつかみ取ってリーグ戦8連勝と波に乗る。今シーズン初となる海外での試合もこの勢いに乗ってサハリン(同40)に勝ち切り、リーグ2位を狙う。
前2戦を振り返って「クレインズは9月に対戦した時よりもチーム力が上がっているように感じた」とチームを率いる菅原宣宏監督。試合自体は辛くも勝てたが、体の大きいクレインズのGKヤニス・オージンシュを中心とした堅い守りに苦戦を強いられる場面もあった。
しかし、今季のリーグ戦開幕直後、苫小牧で連敗している王子は負ける訳にはいかない。積極的な攻撃でクレインズの堅守を崩していき、勝利をもぎ取った。
新しい助っ人のFWタイラー・レデンバックが第1戦で先制ゴールとGWS(ゲームウィニングショット)を決めるなど活躍を見せた。「最後まで諦めずにチーム一丸で戦うことができた。自分自身もチームになじんできて、楽しくプレーできているのも大きい」とこれまでを振り返っている。指揮官も「選手も本当に粘り強く戦えている」と手応えを口にした。
サハリンとは10月、札幌と苫小牧の3連戦でまみえた。札幌で連敗を喫したものの、苫小牧では勝利を収め、そこから連勝街道を突き進んでいる王子。このままの勢いを維持したい。
ただ懸念材料はある。サハリンは日本と時差が2時間あり、特に初戦は対応仕切れない難しさがあるという。現地到着後に練習を敢行し、体を慣れさせるなど万全を期す構えだ。また、アウェーだけに際どいプレーへの判定がより一層厳しくなることも予想される。
とはいえこの3連戦で2位浮上の可能性がある王子。サハリンは昨年のリーグ・ディフェンディングチャンピオンだけに、シーズン当初から掲げる「一戦必勝」の姿勢を貫いて結果を出したい。加えて12月6日に開幕する全日本アイスホッケー選手権大会(ダイドードリンコアイスアリーナ=東京都西東京市)の連覇に向けても弾みをつけたいところ。
菅原監督は「5対5の戦い方などまだ課題はある。そこを克服しながら、何とかサハリンに食らい付いていきたい」とし、DF橋場亮も「攻撃面でもそうだが、守備面もリーグの序盤より良い形になっている。勝って全日本につなげていきたい」と意気込みを見せた。