「低い視点にスピード感」パラアイスホッケーとは? 記者が挑戦

  • アイスホッケー, スポーツ
  • 2024年11月2日
記者も参加したパラアイスホッケーのミニゲーム

 下肢に障害を持った人たち向けの氷上スポーツ・パラアイスホッケー。アイスホッケーとほぼ同様のルールを採用している。底に刃が平行で2本付いた「スレッジ」と呼ばれる専用のそりに乗り、両手に持つ短いスティックで氷をかいて滑る。激しいぶつかり合いや、パックを扱うテクニックが魅力。本紙記者が挑戦してみた。

 ミニゲームに参加した。スレッジに座り、体がずれないようにベルトをしっかり締め、防具のヘルメットとグローブを着用して臨んだ。ターンをする際は「内側に力を入れて外側の尻を少し上げる感覚」と教えられるも、習得はなかなか難しい。前に進むためにはスティックの先端にある「ピックエンド」と呼ばれる刃で氷をかく必要があるが、両方のスティックを平行に扱わなければ、バランスを崩して転んでしまう。

 さらにパックを扱う場合には、スティックの持つ位置を変えなければ、パスやドリブルをすることができず、一つのプレーにたくさんの動作が必要なのだと感じた。それでも低い視点でスピード感のある中、パックを追いかけ、ゴールを狙う競技の魅力を十分に感じることができた。

 パラアイスホッケー専用のアイスリンクは国内に存在せず、アイスホッケーリンクを使用する。大会を開催するためには、ベンチと氷上の段差をなくしたり、フェンスを透明な素材にしたりなど、さまざまな条件があり、現在は限定された地域でのみの開催となっているのが現状だ。2026年のミラノパラリンピックに向けた最終予選の開催地も未定で、苫小牧出身で北海道ベアーズの須藤悟は「地元の氷都とまこまいで大会を開催できる日が来れば」と思いを語った。

 日本代表は昨年、世界選手権Bプールで優勝し、今年5月にカナダで行われたAプール戦に3大会ぶりに臨んだ。世界ランキング上位8カ国が争い、日本は8位。来年の世界選手権Bプールで上位に食い込み、Aプールの下位チームと最終予選を戦い、パラリンピック出場を目指す。

 (スポーツ部・松原俊介記者)

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