アイスホッケー・アジアリーグの王子イーグルスは23、24の両日、横浜市内のKOSE新横浜スケートセンターでひがし北海道クレインズと連戦する。勝負の後半戦がスタートし、レギュラーリーグ優勝へ向けて1戦1戦が大事になる。菅原宣宏監督は「(半月の)ブレーク期間は前半戦で良かったことや課題など見詰め直す時間を設けられた。実戦からは離れたが、自分たちがやってきたことをクレインズ戦でぶつけていければ」と力を込めている。
前半戦を6連勝で締めくくることができた王子。現在11勝7敗の勝ち点32で7チーム中3位。首位のアニャンハルラ(韓国)とサハリン(ロシア)との勝ち点差は8と好位置に付けている。直近の試合は守備面では3失点以内にまとめ、攻撃面でも連勝した6試合のうち5試合で5得点以上をたたき出すなど、良い状態を保っている。
さらにFW越後智哉ら一時戦列を離れていた故障者が徐々に戻ってきたこともあり、戦力も整備されてきた。DF橋本僚副主将は「攻守にわたっていい形を維持できている。これを継続させていければ」と手応えを口にしているように、勢いに乗りたいところだ。
後半戦はアウェーの試合が続く。タイトな試合日程となる上に、海外遠征も増えてホテル暮らしが続くなど、環境の変化に対応する体調の管理が重要になっていく。
さらに技術的な面では、シーズン当初から課題として上がっている数的有利不利のスペシャルプレーの精度はもちろん、5対5の基本的な対応もかぎを握る。苫小牧開幕戦となった9月に行われた前回のひがし北海道戦では5対5の状況で立て続けに失点し、勝利をつかめなかった。その反省も生かして後半のスタートダッシュを図りたい。
ひがし北海道は今季、7チーム中6位と波に乗り切れていない状況はあるが、プレーオフ圏内にいる4位の栃木日光とは勝ち点5差でプレーオフ争いの渦中にいる。シーズン当初からの守りを重視したホッケーで今後勝ち点を積み上げる構えだ。
王子にとってはホーム開幕戦で連敗を喫した相手との対戦。シーズン序盤とは違う成長した姿を見せ付けたい。DF橋本は「練習は良い雰囲気でやれている。今後のためにもなんとか二つ取って、ホームでの借りを返したい」と意気込みを見せた。
23日は午後4時、24日は同2時に試合開始予定。
FW越後の活躍に期待
昨シーズンの終盤、右膝に大けがをし、今季は11月上旬の東北フリーブレイズ戦から戦列に戻ったFW越後智哉。リハビリに費やしシーズンのほぼ前半を棒に振ってしまった悔しさを後半戦で晴らしたい。リーグ優勝に向けてキーマンとして大きな期待がかかる。
昨季のプレーオフ以来の出場だった2、3日のホームでの東北戦。試合前に「思い切ってプレーしてこい」という指揮官からの言葉をもらい、越後は160センチという小柄な体を生かしたスピードあるプレーを見せた。2日の試合では、先制点をアシストするなど活躍する姿を披露した。「運動量も上がってきていると思うし、けがをする前よりも良い状態。しっかり相手にプレッシャーをかけられるプレーもできたと思う」と好感触だ。
越後は昨季、12月の全日本選手権(東京都西東京市)の決勝で、優勝の原動力となった若手主体の第1セット中心選手として活躍。ポジションごとに表彰するベスト6にも輝いた。2月のプレーオフファーストラウンド(1回戦)も第1戦で勝利に貢献する得点を決めるなど、シーズン後半の活躍が目立った。
今季後半戦も越後の活躍に目が離せない。越後は「チームとしての体制は変わったが自分の役割は変わらないと思っている。まずはクレインズ戦で勝つことだけを考えたい」と意気込んでいる。