日高軽種馬共同育成公社(新冠町節婦町)で、高速大容量の5G(第5世代移動通信システム)を活用した軽種馬育成支援の実証試験が報道関係者に公開された。
来春からの商業化に向け国が進める「5G総合実証試験」で、利活用アイデアコンテストに上位入賞した新冠町・シャープによる提案を受け、ATR(国際電気通信基礎技術研究所)、KDDI、シャープ、町などが、4日から12日まで軽種馬の育成支援を目的に実施。5Gを活用した8K映像のリアルタイム伝送で、トレーニングや厩舎(きゅうしゃ)内の様子を遠隔観察し、見守る試験に取り組んだ。
育成公社は、生産農家や馬主から約200頭の子馬を預かり、調教と育成を担う。生産農家や馬主は録画映像や公社に出向いて預託馬の育成状況を確認しているが、「遠隔地からライブ映像で確認したい」という要望が数多く寄せられていた。
実証試験では(1)トレーニングコースを走る育成馬を5Gドローンで撮影し、足運びなどを観察(2)馬房に設置した8Kカメラで毛並み、筋肉、骨格などを細部まで観察、5G伝送でリアルタイム表示―に成功している。鳴海修司町長は「将来を支える新たな技術として、さまざまな地域課題解決に寄与することを期待したい」と話していた。