10年の節目 世代超え、氷上で交流―苫東―北海アイスホッケー定期戦

  • アイスホッケー, スポーツ
  • 2019年11月13日
交流戦で猛攻を見せる苫東(ユニホーム白)
交流戦で猛攻を見せる苫東(ユニホーム白)
年代の垣根を越えプレーを楽しんだ両校OB・OG選手たち
年代の垣根を越えプレーを楽しんだ両校OB・OG選手たち

 10回の節目を迎えた苫小牧東、北海両高校のアイスホッケー定期戦が9日、苫小牧市ダイナックス沼ノ端アイスアリーナで開かれた。競技振興、普及を願って伝統校同士が手を取り合ってきたイベント。苫東のホーム開催となった今回は、両校OB・OGによる交流戦、現役戦共に苫東に軍配が上がった。また、会場には多くのアイスホッケーファンらも駆け付け、さまざまな年代が入り交じった氷上の攻防を楽しんだ。

 苫小牧市、札幌市、遠くは埼玉県から男女29人が集結したOB・OGの交流戦。韓国平昌五輪(2018年)女子アイスホッケー日本代表の高涼風ら20代選手から、最年長は63歳まで幅広い年齢層が攻守にわたってスキルの高さを発揮した。試合は第1ピリオドに一挙4得点した北海が中盤までリードを保ったが、苫東が第3ピリオドに奮起。3得点で逆転勝ちを収めた。

 「すごく楽しかった。伝統の重みを感じられたし、うれしい限り」と笑顔を見せたのは札幌市から訪れた苫東OBの森谷直樹さん(63)。「苫東は礼儀正しさや、一生懸命なプレーがモットーだと思う。それを受け継いで一つでも上を目指してほしい」と現役選手たちにエールを送る。

 一方、苫小牧から北海の門をたたいた谷宙由平さん(35)は定期戦2回目の参加。「顔を知らないOBの方々とも交流が深められる、いい機会」と話す。中学卒業後に親元を離れ生活した経験は、いまでも糧になっている。「最近は苫小牧から北海に進む選手が少ない。良さを知ってもらい苫小牧の選手が増えれば、また北海は強くなる」と期待した。

 現役戦は、10月の南大会でも大勝した苫東が序盤から得点を重ね、定期戦戦績を4勝5敗1分けとした。

 共に早稲田大のOBで親交も深い苫東の田中正靖、北海の畑山賢樹両監督が発案し、2010年から苫小牧、札幌で隔年開催してきた。「まずは10回は続けようと思っていた。ほっとしている」と田中監督は言う。また、畑山監督は「両校のOBがたくさんいたからこそ、続けることができた」と10回の開催で延べ300人近くの卒業生が参加したことに感謝した。

 世代を超えた交流イベントは来年以降も続く。20年の開催地は北海のホーム札幌。「卒業して大人になっても、かつての仲間たちとアイスホッケーを続けられる機会があることを、これからも広く知ってもらえるようにしていきたい」。苫東の田中監督は力強く語った。

 ▽交流戦

 苫東6―5北海

 ▽現役戦

 苫東8―2北海

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