社会人サッカー苫小牧1部リーグに所属する苫小牧市役所は今季、8戦全勝で首位に立ち、初優勝した昨年に続いて連覇を果たした。斎藤貴志監督は「序盤で主力選手を欠くなど万全ではない中で勝ち続けることができた。チームとして自信になった」と振り返っている。
1部リーグは苫小牧などの9チームが5~9月にかけて総当たりのリーグ戦を展開した。苫小牧市役所はアトリエラクタスに14―0で大勝するなど8戦全勝でリーグを終えた。
同チームは総勢25人で、今年の新加入で若手選手が増え層に厚みを増した。MFの杉山瑠惟や志田尚弘ら24、25歳の選手が増えたことでスピード感ある試合展開が可能になった。
リーグ内では強烈な強さを誇ったとはいえ、チーム状況は万全ではなかった。エースストライカーのFW安達虎太朗が第4節で膝の靱帯(じんたい)を損傷する大けがをした。最終節まで復帰はかなわず、斎藤監督は「オフェンス面では要の選手。プレーできていたらもっと楽に勝てた試合もあったかもしれない」と振り返る。エースを欠いた中で勝ち点を積み上げることができたのはチーム力の高さ。速いパス回しと、スペースを広く展開して相手のディフェンスを崩すなどゲームを優位に進めた。
チームは週1回のペースで朝練を行っており、午前6時から約1時間半、練習に汗を流して結束を高めている。主将のMF松下文也は「試合や練習での選手の集まりがいい。チームの雰囲気がいいことも連携の取れたプレーにつながっている」と話す。
守備力も高い。失点はリーグ通算7失点。対日本製紙戦では3―2と押し込まれたものの、4試合で完封勝利を挙げるなど鉄壁の守備を誇る。斎藤監督は「ラインを高めにすることを意識した。効果的に守れたのは今後にもつながる」と胸を張った。
チームは上位リーグの道南ブロックリーグ昇格を目指しており、10月20日に行われる入れ替え戦に臨む。相手は昨年の入れ替え戦で敗れたASC北海道。雪辱を果たし念願の道南ブロックリーグに進出したい考え。斎藤監督は「この勢いを維持して入れ替え戦でもベストを尽くしたい」と飛躍を誓った。