苫小牧の柔道クラブ、尚志館當摩道場がこのほど、十勝管内新得町で開かれた第10回十勝カップ秋季柔道大会団体戦小学生低学年(1~3年)の部で2連覇を達成した。道内屈指のオープン大会で頂点の座を守った。初の大舞台ながら、全試合オール一本勝ちで大会最優秀選手に選ばれた平舘陸(北星小3年)は「自分が勝たないと、という気持ちだった」と胸を張った。
今大会同部には全道各地の道場で結成された27チームが出場した。先鋒、次鋒、中堅、副将、大将の5戦を行い勝ち星(同点の場合は内容)の多いチームが次戦に進出するトーナメント方式で栄冠を競った。
前回優勝を知る前川月穂(明野3年)、水見紀織(美園3年)、小嶺悠人(沼ノ端3年)に加え、平舘、加藤倫大郎(ウトナイ2年)、廣島よつば(明野2年)、水見紀俐(美園1年)の布陣で挑んだ。2回戦から登場すると、直心館柔道少年団B(札幌)に5―0、小樽桜柔館、美瑛柔道少年団にそれぞれ4―1と「想定以上に差がついた」と水見智織監督が振り返るように、危なげない試合運びで決勝に駒を進めた。
池田柔道少年団との大一番では、先鋒戦を取られるも、次鋒前川が引き分け。続く中堅小嶺も、実力差のある相手に臆することなく攻めの姿勢を見せ、引き分けに持ち込んだ。「勝ちに等しい試合。いい形でつないでくれた」(指揮官)ことでチームに流れが来ると、副将の平舘、大将の水見紀織がそれぞれポイントを奪い2―1で逆転勝ち。4試合を通じて「みんな積極的に攻めることができていた」と前川は連覇達成を喜んだ。
3年生5人、2年生4人と尚志館の中でも選手層が厚い年代。互いを目標にしながら練習に取り組む土壌が整うほか、ひとたび真剣勝負の場から離れれば分け隔てなく仲良く遊ぶ絆の深さもすでに備わっているというから頼もしい。
「チームワークは本当にいい。今の雰囲気のまま成長してくれたら」と水見智監督。数年後に本格参戦する全国切符の懸かった道少年柔道優勝大会、マルちゃん杯での好成績が早くも期待されるが、「勝ちにばかりこだわらせたくない。正しい、力強い柔道を身に付けていってほしい」と尚志館の水見秀紀代表は話す。昨秋から柔道を始めたばかりと伸び盛りの平舘は「もっと自分から攻められるようになりたい」とさらなる進化を誓った。