海よ

  • ニュース, 夕刊時評
  • 2019年9月13日

 事象を男性的に表現する際は男性名詞、女性的に表現するときは女性名詞を使うべし。スペイン語にそうしたルールがあるのだと、米文豪、ヘミングウェーの小説を読んでから知った。

 〈海のことを考えるばあい、老人はいつもラ・マルということばを思いうかべた。それは愛情をこめて海を呼ぶときに、この地方の人々が口にするスペイン語だった〉(『老人と海』新潮文庫、福田恆存訳)。1954年ノーベル文学賞受賞作。「エル・マル」と男扱いで呼び、海を闘争相手とするような金回りのいい漁師と対照的に主人公の老漁師は描かれている。

 小職は学童の頃、育ったまちで好天の日に浜辺で遊んだ。巨大な魚の頭だけがなぎさに打ち上がっていた日があった。マグロの頭と判断して想像し、友人と砂に胴体、ひれを描いた思い出がある。

 苫小牧沖合で5日にメカジキが漁獲された。体長3メートル超、体重182キロ。めったに取れないと漁協のプロが認めた。本紙12日付釣りページ「釣り旅日記」で作家の森厚さんは、販売された当該魚の味覚を記述していて、さすがだ。

 気象庁によると今月上旬の海面水温は、北海道周辺の広範囲がかなり高いそう。生物に豊かな滋味の恵みを与えてくれる揺り籠。高水温化で激しい台風を生み、プラスチック汚染が進みつつあると警鐘が鳴り響く現代の海。「性別」はさておき、われを注視せよと波音に言われている気がする。(谷)

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