カムイ

  • ニュース, 夕刊時評
  • 2019年9月7日

 むかわ町穂別地区で発掘された恐竜化石の学名が決まった。カムイサウルス・ジャポニクス。「日本の竜の神」の意味。6日の英科学誌に掲載された。

 先住民族のアイヌと、後に移住してきた和人との間には、差別や収奪など負の歴史が残るが「萱野茂のアイヌ語辞典」(三省堂)を見ると、クスリ=薬など幾つかの言葉は、共通のものとして使われていたことが分かる。音がほぼ同じカムイ=神もその一つだ。カムイの語釈には神のほかにクマも加えられている。辞典にはカムイの付くたくさんの言葉が並び、この言葉の意味の大きさが分かる。

 穂別地区で2003年に尾部の骨が発見された草食恐竜ハドロサウルス科の化石は、大規模発掘で全身骨格の8割以上が取り出され「国内で、最も保存状態の良い全身骨格」とされる。町は「むかわ竜」と名付け、今後のまちづくりの大きな柱に据えたものの、道内外の旧穂別町出身者らが、命名の経過をただす署名活動を繰り広げた経緯もある。学名の確定には、大きな関心が寄せられていた。

 北海道の歴史や文化を踏まえた簡潔で大きな名前が付けられた。竜の神が生きていたのは今から約7200万年前。海辺で集団生活をし、植物を食べていたそうだ。永い眠りから覚めて地上に現れ、科学の進展だけでなく、大地震に襲われた町の復興の力になることも期待されている。カムイサウルス。何度も復唱してみる。(水)

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