カセットテープにレコード、使い捨てカメラ、クリームソーダに銭湯までが人気を集めている。これは数十年前の「昭和」時代ではなく、最近の傾向だ。中でもアナログレコードが若い世代にも人気があるというから不思議だ。
日本レコード協会の統計によると、2023年のレコード生産量は270万枚で、何と3年前の2・5倍と急激に増えている。四半世紀にわたって縮小が続いていたカセットテープも売り上げは伸び始めている。3年前の断捨離で大量にあったカセットを捨ててしまった身からすると、残念なことをしたと後悔している。
「昭和レトロ」ブームともいわれている。なぜ、今なのか。いろいろな分析があるが、関西学院大学教授の難波功士教授は「ただ、昔が懐かしいというのだけではなく、そこに新しい発見があり、その時代を直接、知らなかった世代も反応することでブームが起こる」と指摘する。
平成生まれの家族は「昭和の音楽は安心する。新しい」と上から目線で分析をしていた。日本の過去のコンテンツが見直されて再評価される。昭和時代を生きてきたものにとって、何かうれしい思いがする。来年は昭和に改元されてから100年の節目。あの時代から何を学ぶべきなのか。思い出している。(昭)