IHタウンの魅力満喫 氷都とまこまい体感プログラムで移住促進 NEWSワイド

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  • 2025年2月3日

 

 苫小牧市がまちの文化でもあるアイスホッケー(IH)を通して移住につなげようと展開する体験事業「氷都とまこまい体感プログラム」。3年目となった今年度ツアーは昨年12月26~28日、過去最多の10家族23人が参加し、「IHタウン」の魅力に触れた。近年は競技環境を求めて苫小牧に一家で移り住む家族も増えており、市は今後の波及を期待している。(石川鉄也)

 

 

 子供たちに貴重な機会を提供

 

 

 今年度は10府県から申し込みがあった。北は青森から、南は沖縄まで全国幅広く、大阪や奈良、滋賀の関西圏、四国の香川などから参加があった。期間中はアジアリーグのレッドイーグルス北海道や女子アイスホッケー日本代表「スマイルジャパン」の元主将大沢ちほさんの協力でIH教室を開いた他、地元小学生チームや苫小牧東高校IH部との合同練習を行った。このほかにも地元の飲食店やIH専門店などを巡り、最終日にトップリーグの試合を観戦する機会も提供した。 滋賀県から参加した山田一貴君(12)は同年代の子どもたちと手合わせし、「上手だったし、それだけ練習している」と苫小牧のレベルの高さを肌で感じた様子。沖縄から家族で参加の長綾さん(43)は「昼間に練習できるのはとても大きい。北海道だと構えていたが、思っていたより雪も少なく、運転もできるのでは」と暮らしのイメージも膨らませたようだった。

 

 

 IH上達のメリットが移住に直結

 

 

 市や競技関係者によると、高校などの進学をきっかけに、苫小牧へ移住するケースは少なくない。実際に女子IH日本代表選手の山下光、栞姉妹らは大阪から苫小牧へ移住して腕を磨き、2022年北京冬季五輪に出場した。男子でも苫東高IH部の小野快志朗主将(18)は神奈川県出身で、中学までは本州でプレーしたが、知人の先輩が苫東高OBだったことや「学校リンクでやってみたかったし、文武両道の環境でホッケーがしたい」と高校から苫小牧に移り住んだ。「(練習は)本州では多くても週に2回ほどだったが、苫小牧では2倍以上、冬は毎日できる」と言い、取り組みを通じて「もっと子どもたちが刺激されれば」と期待する。 市政策推進課は「本州では居住地にリンクがなく、他県まで長時間かけて通っているケースもある」と道外の現状を指摘しつつ、苫小牧は4カ所ある屋内リンクや人材に恵まれ、豊富な指導を受けられるメリットをアピール。苫小牧の魅力を発信しながらの移住促進施策に、「将来的な移住の検討材料にしてもらえたら」と話している。

 

 

 

 氷都とまこまい体感プログラム

 

 人口減少対策に特化した総合戦略に基づく事業。子どもたちにIH教室などの体験を提供し、父母らに移住後の生活をイメージしてもらうことで、子育て世代の移住を促す狙い。市は2018年度、総務省の関係人口創出モデル事業の一環で、道と連携してIHを切り口にした初の移住促進事業を実施し、参加した4家族のうち2家族がその後、苫小牧に移住した。22年度からは市独自で取り組み、初年度は3家族、23年度は7家族が参加し、このうち1家族が移住した。

 

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