陸上自衛隊と米陸軍による日米共同の実動訓練「ノース・ウインド25」は2日、恵庭市の北海道大演習場島松地区(北大演)で報道公開された。陸自隊員と米兵が協力しながら、雪上での負傷者搬送やスキー移動の訓練を繰り広げ、有事への備えを磨き上げた。 今年で32回目の実動訓練で、積雪寒冷地での作戦遂行能力や相互運用性の向上を図ることが主な目的。今回は1月31日~2月9日、北大演と札幌市や恵庭市の各駐屯地計4カ所で展開。陸自は北部方面隊(総監部・札幌市)約1100人、米軍は第11空挺師団(アラスカ州)約240人が参加している。 2日はけが人の救護やスキーの訓練を公開した。このうち救護訓練は、陸自が第11旅団第18普通科連隊、米軍が第1歩兵旅団第1―5歩兵大隊の計約80人が参加。負傷者役を加温するために全身を覆うシートも、陸自はプラスチック製容器にお湯を入れるのに対し、米側は携帯カイロが張り付いているなど異なり、参加者はお互いの装備品の違いに理解を深めながら訓練を進めた。 陸自の「アキオ」というそりに負傷者役を乗せて保温する際も、陸自隊員の言葉を米兵に分かりやすく伝えるため、陸自側が「キャンディーを包むようにくるんで」などと説明。陸自、米兵2人ずつ計4人が一組となり、中には通訳も交えずにしっかり意思疎通を図る場面も見られるなど、日米共同で対応力を強化した。