水産棟先行方針で紛糾 市公設卸売市場審議会「青果と一体整備を」

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  • 2025年2月5日

 苫小牧市公設地方卸売市場運営審議会の今期初会合が4日開かれ、市は老朽化が進む同市場水産棟(汐見町)を先行して再整備する方針を示した。一方、同審議会は同棟と青果棟(港町)について「建て替えが望ましい」と結論付けた意見書を出した背景から、会合では「両棟合わせた計画作りを」などの意見が噴出。市は審議会の理解が得られるよう、再検討して改めて考え方を示す予定だ。

 水産棟は1966年、青果棟は71年にそれぞれ開設し、いずれも築50年以上と老朽化。市は2017年に建物の劣化度を調査した結果、33年度まで運用できると判断し、修繕しながら長寿命化を図っている。ただ、再整備は喫緊の課題で、同審議会は前期、今後の市場経営などを議論した上、昨年10月に両棟の建て替えが望ましいとする意見書を市に出していた。

 この日の会合で市は、昨年12月に初当選した金澤俊市長の選挙公約を踏まえ、水産棟の再整備を先行させる考えを説明。25年度に市や卸売業者、買い受け人、生産者らで構成する水産棟再整備検討部会を設置し、再整備の内容などを協議する方針を示した。

 一方、委員からは「水産、青果を総合的に考えて」「(両棟)一体の計画を作り、『水産が先』としないといけない」などの反論が続出。市は「水産を足掛かりに一歩ずつ進めたい」「水産だけという考えではない」と説明したが理解は得られず、意見を持ち帰って再検討することになった。

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