見事な体格の超大物サクラマス(提供写真) 釣り上げたのは、苫小牧市内の60代の男性。今月2日、苫小牧港・西港から出船する勝洋丸(三澤誠船長)に乗り込み、水深110メートルの白老沖のポイントで自身初のサクラマス釣りに臨んだ。
男性が用意したのは6本針のバケ仕掛けで、バケの色はブルー系を選択。電動リールにはPE3号のラインを巻いた。
釣り開始は午前7時ごろ。今季はスケトウダラの群れが濃く、仕掛けを落とせばサクラマスに先んじてスケトウが盛んに食い付いてくるという。案の定、この日もそうした展開となり、釣り開始から2時間以上、釣り人らは「無眼に釣れる」ようなスケトウとの格闘が続いていた。
男性にそれまでと異なる強烈な魚信が来たのは午前9時半。仕掛けを110メートル、ベタ底まで落として2~3メートルほど巻き上げた後、さおをしゃくって誘いをかけていた時だった。ドン!という当たりに続いて、ゴンゴンゴン!と力強い手応え。すかさず合わせを入れてしっかりフッキングさせた後は、心持ちゆっくりめに巻き上げた。
サクラマスは口元が軟らかく、顎が切れやすい。痛恨のフックアウトを避けるため、時折厳しくさおを絞り込む水中での激しい動きにさおの弾性を生かして対応し、4分ほど時間をかけて海面まで引き上げ、無事取り込んだ。
上がったサクラマスは丸々と太った重さ3・5キロ、体長58センチの大物。体高のある立派な魚体がまぶしい、いわゆる「板マス」だ。今季は30~40センチほどの小ぶりな魚が目立っているだけに、乗り合わせた釣り人たちの羨望(せんぼう)の視線を男性が独占した。遊漁船関係者の間でも、このクラスが上がるのは近年は本当に珍しいと評判を呼んでいる。
男性は、若い頃にも少し釣りを楽しんだものの、仕事の都合などで長く遠ざかっていたという。知人から誘われて昨年、久しぶりに再開し、今回初めてサクラマスにトライした。「周りの釣り人からは『すごい』と驚かれた。ボウズが珍しくない釣りだけに、大物が釣れてうれしかった」と満足そう。大物は、凍らせて食べるルイベと塩焼きにして食べ、サクラマスのおいしさを堪能した。
男性のこの日の釣果は本命サクラマスが3匹で、ほかにマダラ、ソウハチ、スケトウなど。「仕事の休みが取れたらまた沖に出たい」と早くも次の釣行に思いを巡らせていた。
苫小牧から白老にかけての沖で狙う海サクラマス釣りで、めったに出ない超大物の3・5キロ級が上がり、遊漁船など関係者の間で話題になっている。