【ウエストミフリン(米ペンシルベニア州)時事】トランプ米大統領は5月30日、東部ペンシルベニア州ピッツバーグ近郊にある米鉄鋼大手USスチールの工場で演説し、日本製鉄によるUSスチール買収計画に関し、「われわれは偉大なパートナーを持つ」と歓迎した。また、国内鉄鋼業などの一段の振興を狙い、鉄鋼・アルミニウムの輸入に課す追加関税を現行の2倍となる50%に引き上げる方針を表明した。
トランプ氏は買収の枠組みなど計画の詳細には踏み込まなかった。演説後、記者団に対し、計画の最終案をまだ確認していないと言明。「日鉄との最終的なディール(取引)を承認する必要がある」と述べた。
日鉄による買収計画は、バイデン前大統領が国家安全保障上の懸念を理由に中止を命じた。トランプ氏は大統領の諮問機関である対米外国投資委員会(CFIUS)に再審査を指示。CFIUSがトランプ氏に提出した勧告書を踏まえ、5日までに最終的な結論を出す見通しだ。