苫小牧市は2024年度建設工事の発注実績をまとめた。発注総額は88億3650万円で、前年度比9・6%(9億4300万円)の減少。市営住宅の解体工事などの案件は増えたが、学校の増築・改築や上下水道事業関連工事の大型案件が前年度と比べて減り、5年連続で100億円を下回った。地元発注率は前年度比0・4ポイント減の94・2%だった。
市契約課によると、24年度の契約件数は219件(延べ290件)で前年度比8件減。内訳は、土木95件(同127件)、建築44件(同60件)、水道23件(同34件)、下水57件(同69件)。
主な発注工事は、末広町市営住宅の解体をはじめ、
植苗小中学校大規模改修工事、緑ケ丘公園陸上競技場の改修工事など。地元企業への発注額は83億2591万円で、前年度比10%(9億2540万円)減だった。
業者別発注額で見ると、菱中建設(本店・苫小牧市)が発注額10億1476万円で、唯一10億円を突破して2年連続の1位。共同企業体で大型受注の落札が積み重なったことが一因とみられる。
2位は岩倉建設(同)で5億9588万円=前年度3位=、3位は秋村組(本社・苫小牧市)で5億1909万円=同4位=が続き、前年度2位の盛興建設(同)は3億9222万円で4位だった。
今年度の建設工事は、学校関係や浄水場の設備工事などが前年度と比べて減り、発注総額は計画ベースで70億3044万円を想定。上半期(4~9月)の発注率を92・3%に設定し、早期発注に努める。
主な発注予定工事は、日新団地市営住宅新築主体工事をはじめ、市庁舎LED(発光ダイオード)化、植苗・美沢地区テレビ共同受信施設光伝送(FTTH化)改修、高丘浄水場原水量水井の改築工事など。
同課は「今後は物価高の影響が設計段階で反映される可能性がある。その経過は把握していかなければ」と推移を注視する。