長嶋茂雄さん　プロ野球巨人の4番打者、監督として野球界に偉大な足跡を残し、「ミスタープロ野球」と呼ばれた国民的英雄、長嶋茂雄（ながしま・しげお）さんが3日午前6時39分、肺炎のため東京都内の病院で死去した。89歳だった。葬儀は近親者のみで執り行い、後日お別れの会を開く。

　長嶋さんは2004年に脳梗塞で入院。リハビリ、退院後は何度も球場を訪れるなど球界を見守っていた。18年7月には胆石治療のため入院したが、同年中に回復。19年4月に東京ドームで巨人戦を観戦に訪れて以降も「終身名誉監督」として現役選手に助言を与えるなど活動的だった。

　千葉県出身。立教大で通算8本塁打の東京六大学野球記録（当時）をつくり、1958年巨人入り。1年目に本塁打王、打点王、新人王に輝いた。天覧試合のサヨナラ本塁打など大舞台で無類の勝負強さを発揮。高度経済成長期にあった国民に夢と希望を与え、王貞治選手（現ソフトバンク球団会長）との「ON」コンビで巨人を9年連続日本一に導いた。

　首位打者6回、本塁打王2回、打点王5回、最優秀選手5回。74年に引退し、背番号3は巨人の永久欠番となった。

　75～80年と93～01年に巨人監督を務め、リーグ優勝5回、日本一2回。13年に国民栄誉賞、21年に文化勲章を受けた。