道教育委員会は、道内の道立学校(高校・中等教育学校・特別支援学校)、市町村立学校(札幌市を除く小学校・中学校・義務教育学校・高校)で実施した2024年度の体罰等に関する実態把握調査結果を公表した。体罰の発生件数は5件となり、前年度に比べ2件減少した。被害を受けた児童生徒数は6人だった。
調査は教職員、スクールカウンセラー、保護者、生徒ら約44万人を対象に実施。約20万人から回答を得た。
5件の体罰は、当初から道教委へ報告があったもので、今回の調査で判明した体罰はなかった。体罰があった学校は小学校3校、中学校と高校各1校の計5校だった。
体罰が起きた場面では、「授業中」が2件で、「部活動中」と「帰りの会」「放課後」が各1件。
体罰の態様では、「たたく」「蹴る」「頬をつねる」「うつぶせの児童を膝で押さえ付ける」「胸ぐらをつかんで押し倒す」が各1件だった。
被害状況では、5件とも「障害なし」となった。
また、体罰以外の不適切な行為(児童生徒に対する性的行為、セクハラ、名誉棄損、脅迫等法令に違反するような行為)は2件発生。前年度から2件減少した。被害を受けた児童生徒数は16人だった。
2件は当初から道教委へ報告があったもので、今回の調査で判明したのはゼロだった。不適切な行為があった学校は中学校と高校各1校の計2校。態様は「児童生徒に対する性的行為」と「セクハラ」が各1件となった。
道教委では「今回の調査で新たに判明した体罰、体罰以外の不適切な行為はなかったが、依然として体罰等の事故は発生している」と説明。「学校においては校内研修の複数回実施や個別面談を利用した指導、外部指導者に対する研修などを行い、引き続き体罰等に対する認識を深めさせ、事故の未然防止の徹底に取り組む」との姿勢だ。
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一方、道学事課も、道内私立学校(幼稚園・小学校・中学校・高校・特別支援学校)で実施した24年度の体罰等に関する実態把握調査結果を公表した。高校の全日制3校、通信制1校の計4校で6件の体罰が分かった。前年度から2校、1件減少した。10人の生徒が被害に遭い、けがも「外傷」が2件、「打撲」が1件あった。
学事課では「各学校に対し、各種研修資料を活用した校内研修の実施や、外部研修の機会の確保により教職員や外部指導者等の意識向上を図るほか、再発防止策を適切に講じるなど一層の取り組みを求めていく」と話している。