厚真町などでDaigasガスアンドパワーソリューション(大阪市)による風力発電施設の建設が計画される中、町の住民団体、苫東厚真風力発電を考える会は5月31日、厚南会館で学習会を開いた。町内外から約30人が参加。北海道風力発電問題ネットワーク(石狩市)の佐々木邦夫代表(57)が全国や道内で起きているさまざまな問題をテーマに講演した。
佐々木代表は、道内外で風力発電施設の完成後、騒音による睡眠障害やめまいの症状が出る人がいることを紹介。環境面では、鳥が衝突するバードストライクやブレードの影が回転することで明暗が生じるシャドーフリッカーなどの影響について説明した。
国は、健康被害が出ても風力発電が原因と特定できないという立場を取っているとし、「知見がないから安全というわけではない。リスクがないわけではない」と指摘した。
一方、住民の反対運動が広がり、事業者が計画を中止した事例を挙げ、「首長が現地を視察し、記者会見で事業者計画は是認できないと言うこともあった」と話した。