第28回室蘭がんフォーラムが3日、室蘭市東町の市保健センターで行われ、受講者は抗がん剤投与に伴う脱毛を防ぐ頭皮冷却帽子について理解を深めた。

　頭皮冷却帽子「愛帽」を開発したアイスジャパン（室蘭市中島町）の松岡正昭代表取締役が講師を務めた。

　開発は、がん患者の女性から冷却帽子の製造を願う電子メールが寄せられたことがきっかけと説明。女性が入院していた横浜市内の医療機関を訪れて「『がん患者はみんな泣いている』という話を聞いた。何とかしなければと感じた」と振り返り、研究を重ねて一定の温度を持続させる保冷剤を開発、商品化につなげたと話した。

　帽子による首への負担を軽減するため、購入者にオンラインで使用方法などを説明していることも紹介。使用者から「前向きに治療を受けられるようになった」「職場へウイッグ（かつら）なしで出勤している」と好評を得ているほか、海外から引き合いもあると述べた。

　注文の電子メールが早朝に届いたこともあるとし、「夜も不安で寝られず、キーワードで『愛帽』がヒットしたのだろう。一人でも多くの人を助けて、不安を取り除いてあげたい」と語った。

　「愛帽」を紹介する松岡代表取締役