内閣府は6日、「女性の政治参画への障壁等に関する調査研究報告書」を公表した。地方議会議員への調査で、自身や家族らが嫌がらせを「受けた」と答えた女性は53・8%で、男性(23・6%)の2倍強に上った。嫌がらせを「受けたことも見聞きしたこともない」と回答したのは女性19・5%、男性41・0%だった。
調査は昨年11月から12月にかけて全国の地方議員を対象に実施し、5075人から回答を得た。議員や候補者へのハラスメント防止策を盛り込んだ「政治分野における男女共同参画推進法」改正法の2021年6月の施行後も依然、嫌がらせなどが女性の政治参画の障壁となっている現状が浮き彫りとなった。
嫌がらせの内容は、男女ともに「暴力的な言葉」が最多。「性別による無意識の思い込みから来る侮蔑的な態度や発言」や「身体的な接触や付きまとい」は女性の被害が男性に比べて顕著に多かった。女性議員への嫌がらせ行為者は「他の候補者やその支持者、同僚議員」が65・7%でトップ。「有権者」が64・0%と続いた。
政治活動と家庭生活との両立について、女性議員の73・6%が「課題があった」と回答。男性議員の36・4%を大きく上回った。
国政選挙や地方選挙への立候補を検討したが断念した男女1000人を対象に昨年11月に行った調査では、女性の4割超が妊娠など「性別特有の健康課題」や「政治は男性が行うものだという周囲の思い込みや慣習」を断念の理由に挙げた。
同報告書の公表は21年以来2回目。内閣府男女共同参画局の担当者は「(ハラスメントなどへの)対応は進んでいるが、まだ課題が残っている」と語った。