韓国の格安航空会社チェジュ航空が5日、函館―仁川(インチョン、ソウル)に初就航した。函館と韓国をつなぐ定期便は13年ぶりで、函館空港国際線ターミナルで就航記念セレモニーが行われたほか、函館市の大泉潤市長や、観光関連事業者らが初便の乗客189人を笑顔で出迎えた。
函館―韓国線の定期便は、大韓航空が2012年に運休して以来の就航で、同空港の国際線は、台湾のタイガーエア台湾とスターラックス航空に次ぐ3路線目。運航スケジュールは、6月が木、日曜の週2回、7月以降は火、木、土、日の週4回往復する。使用する機材はB737―800、座席数は189席で、約2時間半~3時間のフライト。
午後4時半ごろ、仁川発の便が着陸すると、消防車両がつくる放水アーチで祝福。記念セレモニーでは、同社のキム・イベCEOや市長ら関係者9人がターミナル2階レセプションルームでテープカットを行い、初到着を祝った。キムCEOは「日本路線をさらに強化する大きな意味を持つ」とあいさつ。市長は「今回の就航を契機に函館と韓国の相互交流が一層深まることを期待したい」と力を込めた。
1階到着ロビーでは、道南観光に携わる事業者でつくる「箱館会」のメンバーや行政職員が「歓迎! ようこそ函館へ」とメッセージを伝える横断幕を用意。函館観光イメージキャラクターの「エキゾーくん」や北斗市の公式キャラクター「ずーしーほっきー」など6体が駆け付けた。また、函館市職員は地元の珍味や菓子、観光スポットを紹介するパンフレットのセット200部を乗客に手渡した。
出迎えた中には、旅先で買ったという韓国の国旗を手に、ともにもてなす市内の高校生の姿も。ソウル市内から来た会社員のウィ・テヨンさん(35)は「函館に来たのは初めて。3泊4日で夜景を見たり、ウニを食べたりするのが楽しみ」と話していた。
ご当地キャラクターと歓迎横断幕を掲げた到着ロビーで目的地に向かう乗客=5日午後、函館空港