戦前は皇室財産の「御料林」 樹齢何百年の大木も

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  • 2025年6月9日

 樽前山麓の森林は戦前、皇室財産の御料林で、それを管理する帝室林野局の主任として赴任した小玉小太郎さん(明治40年生まれ)が、昭和58年当時、苫小牧民報紙上で次のように語っている。

 「馬を6、7頭連れて林野局の仕事をすることになった。樽前山麓の御料林で伐採された木材を集材する仕事だ。

 当時の御料林はまだ林道もまともに付いてはいなかったため、伐採現場に向かう作業道を私たち馬車追いが計画して、土木作業員が道を切り開いていった。戦争で木材が多く必要だったのか、エゾマツやマカバなどの大木が次々に切り出されていった。

 軍の仕事をすると大変うるさく、木材に傷でも付けると厳しく叱られた。特にマカバは、航空機のプロペラ材として貴重なものであったため、胸高(胸高直径)4メートル以上もある立派な木が選ばれて切り出された。広い面積を皆伐して、エゾマツなど樹齢何百年にもなる立派な木材が多量に出された。

 洞爺丸台風で樽前山麓の森林が軒並み風倒木でやられた。見渡す限り、立っている木がほとんどないほどだった。一番大きな造材飯場と国有林の出張事務所があった口無沼までの林道を開けるだけでも、数百人の作業員が1週間から10日間もかかった」口無沼のほとりにかつてあった造材飯場と事務所

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