米の価格などで意見交換 とまこまい広域農業協同組合 農業振興対策協議会開く

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  • 2025年6月9日
東胆振1市4町の首長らが意見交換を行った農業振興対策協議会

 とまこまい広域農業協同組合(JAとまこまい広域)は6日、農業関係者と東胆振1市4町の首長などが意見交換する「農業振興対策協議会」をむかわ町穂別町民センターで開いた。関係者31人が出席。首長らは、有害鳥獣の捕獲や駆除、高騰する米の価格について意見を出し合った。

 開催町、むかわ町の竹中喜之町長は、エゾシカの農作物被害が2億円を上回る事態にあることを伝え「猟友会と農業者が協力し、箱わなや囲いわなを活用するモデル事業を展開している。農業者が狩猟免許を取得する補助もしている」と説明した。

 安平町の田中一省副町長も町内でのエゾシカについて、頭数が増加している状況を報告した。このほか、新規就農者が特産品の追分カンロやアサヒメロンの営農に取り組んでいることを紹介し「今後も農業研修生の育成を目指す。より多くの生産者の声をつかみ、道やJAと連携して各種計画を進めたい」と話した。

 厚真町の宮坂尚市朗町長は、JAは米の安定供給や適正価格の形成に向けて消費者に米作りの現状を伝え、共通認識を持つ必要性があるとした。供給不足による米の価格上昇について「増産の困難さを含め、JAはしっかりと発信してほしい」と求めた。

 白老町の大黒克巳副町長は、和牛の素牛や枝肉の市場価格が下落傾向にあること、エゾシカで牧草や野菜などに食害が発生していることを説明した。特産の白老牛は地域団体商標の取得へ準備を進めているとし「白老牛のブランドを強化したい」と意気込んだ。

 苫小牧市の小名智明産業経済部長は、エゾシカについて、線路沿いなどで多数見られ、自動車との交通事故が増加している一方、金柵の設置で農業被害額が減少しているとし、「引き続き、捕獲、進入防止対策を進める」と話した。

 質疑応答では、同協議会で挙がった課題について議論を深められる時間配分を求める声が出され、堀弘幸組合長は「次回会合では、より濃い意見交換ができるようにしたい」と述べた。

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