参道の日暮れ静かや余花こぼる
幸 代
母の日や小さき背を励まして彰 子
胡瓜蒔く子なきわたしの育児かな典 子
走り根の先盛り上がる春の雨敏 子
指に巻く輪より始まるレース編み数 方
風薫る牛馬と出会ふ遠出かな光 江
雨上がり水玉光る若葉かなたつ子
時の日や昭和の匂ふ小さき文字
和 美
煌くる命五月の空の下由紀子
代掻けば雲の白さを映し出し桂 せい久
郭公の便りを庭の菜園に長谷川淑子
初夏の供花父親代わり兄逝けり森 美子
面差しを重ねる母の日でありぬ千 香
ピンネシリ見えて行く道新樹晴坂田 敦子
風に尾を叩きつけたり鯉のぼり髙橋紀美子
寒村に伝統守る祭あり ■(吉の士が土) 度 厚彦
さくらんぼ父娘の声と笑い顔清 美
手作りのプリンにひとつサクランボ光 代
思い出を語るにたらず短夜は雅 代
退職し木箱で来ないサクランボ古 都 男
さくらんぼ愛しくなるこの響き美 千 代
さくらんぼ昔遊んだ茎結び
エフ 正博
食卓に華を咲かせるさくらんぼエフ 清美
耳つぼのピアス効くかな夏の風杉山 智子
母の日や健康という宝物杉山 桂子