• 憧れを投影した時代小説/「往来絵巻 貸本屋おせん」を書いた/高瀬乃一さん
    憧れを投影した時代小説/「往来絵巻 貸本屋おせん」を書いた/高瀬乃一さん

       本を愛する江戸時代の人々を活写した2022年のデビュー作「貸本屋おせん」。続編「往来絵巻」でも主人公おせんは、本にまつわる事件を追い掛け、江戸の町を奔走する。「大好きな仕事に打ち込むおせんは、今でい

    • 2025年6月17日
  • 苫小牧川柳社
    苫小牧川柳社

      妣(はは)の名と同じ名前の藤の花坂本美地子
      バドミントン孫と競うも腰痛む箱崎 倫子
      雨続き雑草だけが嬉し顔西内 一幸
      ランドセル小さな体駆けていく大槻としこ
      年金は今の物価に反比例村本幸夢螺
      温めよ自

    • 2025年6月17日
  • 「食 の 本」/稲田俊輔著/現代の課題も浮き彫りに
    「食 の 本」/稲田俊輔著/現代の課題も浮き彫りに

       著者は南インド料理店「エリックサウス」の総料理長兼文筆家。食に関する25冊を紹介する本書は、飲食店経営者と作家の複眼で描かれている。
       直木賞作家の千早茜の人気エッセーシリーズ「わるい食べもの」につ

    • 2025年6月17日
  • 「裸のネアンデルタール人」/リュドヴィック・スリマック著 野村真依子訳/私たちの精神構造を見る
    「裸のネアンデルタール人」/リュドヴィック・スリマック著 野村真依子訳/私たちの精神構造を見る

       書名にある「裸」は、単に彼らの外見を指すのではない。本書の中では「ありのまま」と振り仮名が付されている。
       ネアンデルタール人研究の第一人者が、長年の研究成果を通し、彼らのありのままの姿を見詰めよう

    • 2025年6月17日
  • 「小さな神たちの祭り」/内館牧子著
    「小さな神たちの祭り」/内館牧子著

       東日本大震災で家族全員を失った谷川晃は、故郷の宮城県亘理町を離れて上京する。人一倍明るく振る舞うが、無理がたたって周囲や恋人との間にあつれきが生じる。傷心の中、乗り込んだタクシーが向かった先で、生前

    • 2025年6月17日
  • 「どうせ世界は終わるけど」/結城真一郎著/共に人生を問い直す
    「どうせ世界は終わるけど」/結城真一郎著/共に人生を問い直す

       「ホープ(希望)」と名付けられた巨大隕石(いんせき)の地球衝突による人類滅亡。ただし、それは100年後のこと。そんな世界で生きる人々を描く連作短編集だ。
       登場人物たちの人生は〝人類滅亡〟を知らされ

    • 2025年6月17日
  • 「詩を書くということ」/谷川俊太郎著
    「詩を書くということ」/谷川俊太郎著

       昨年死去した国民的詩人の、NHK番組「100年インタビュー」での発言録。「ある時期から、自分の中に言葉があるとは思わなくなった」と語り、心を空っぽにして待つという作詩法など、晩年まで衰えなかった創作

    • 2025年6月17日
  • 出版文化 最大の国語辞典、30年ぶり改訂/「用例主義」で55万語収録へ
    出版文化 最大の国語辞典、30年ぶり改訂/「用例主義」で55万語収録へ

       約50万語を収める最大の国語辞典「日本国語大辞典(日国、にっこく)」の第3版刊行に向けた改訂が始まった。編集に当たる有識者が数百人に上る巨大プロジェクトで、版元の小学館は2032年にデジタル版の公開

    • 2025年6月10日
  • 民報俳壇 葦牙俳句会/苫小牧ホトトギス会
    民報俳壇 葦牙俳句会/苫小牧ホトトギス会

      参道の日暮れ静かや余花こぼる
      幸 代
      母の日や小さき背を励まして彰 子
      胡瓜蒔く子なきわたしの育児かな典 子
      走り根の先盛り上がる春の雨敏 子
      指に巻く輪より始まるレース編み数 方
      風薫る牛馬と出会ふ

    • 2025年6月10日
  • 民報歌壇 銀河短歌会/新墾/初蝶歌会
    民報歌壇 銀河短歌会/新墾/初蝶歌会

      さくさくと菜きざむときに過ぎし日の賑はふ食卓眼裏うかぶ桐渓 淑子
      明け方に肩たたかれて目が覚める 気配はきっと亡夫だと思う神成 靖子
      冬囲い外せばそこに活き活きと亡姉の見立てしクリスマスローズ
      伊藤 

    • 2025年6月10日
  • 「京都の歩き方」/澤田瞳子著/歴史小説家が語る奥深さ
    「京都の歩き方」/澤田瞳子著/歴史小説家が語る奥深さ

       京都に生まれ育った歴史小説家による京都についてのエッセー。大学院では歴史研究の道を志し、博物館勤務の経験もあるという。京都人としての皮膚感覚と研究者としての資料読解力、そして作家としての好奇心と行動

    • 2025年6月10日
  • 「二十四史」/岡本隆司著
    「二十四史」/岡本隆司著

       紀元前1世紀の「史記」から「明史」まで、中国2000年の歴史を記録した24の正史を紹介する。体制側に立ちながら権力批判も書き込んだ史記、それを批判的に引き継いだ「漢書」。当初は個人的な著述だったが、

    • 2025年6月10日
  • 「生きる言葉」/俵万智著
    「生きる言葉」/俵万智著

       珠玉の言葉を紡ぐ歌人が「生きた」日本語を考える。短歌を詠むAIが登場し、SNSには過激な言葉が放流され…。まさに現代は日本語の真価が問われている。円滑なコミュニケーションには「書き言葉の足腰を鍛える

    • 2025年6月10日
  • 「珈琲怪談」/恩田陸著/心ざわめく極上の話
    「珈琲怪談」/恩田陸著/心ざわめく極上の話

       あの「塚崎多聞」が帰ってきた。それも、なんと前作「不連続の世界」から17年ぶりに!
       作者である恩田陸は、「自分が創造した作中人物のうち、いちばん気に入っている人物は?」と聞かれると「登場人物に肩入

    • 2025年6月10日
  • 「サイレント・フォールアウト」/伊東英朗著/声を上げ連帯する大切さ
    「サイレント・フォールアウト」/伊東英朗著/声を上げ連帯する大切さ

       著者は、ビキニ環礁での水爆実験の知られざる被害を追ったドキュメンタリー映画を発表し、話題を呼んだ。今回は米国を舞台に本書と同じ名前の映画を製作し、全米で上映会を開き対話を続けている。
       1950年代

    • 2025年6月10日
  • 「美土里倶楽部」/村田喜代子著/夫婦の不思議を思う
    「美土里倶楽部」/村田喜代子著/夫婦の不思議を思う

       「夫婦グセ」という言葉を聞いて、本書の主人公、美土里はハッとする。長年連れ添った夫を亡くしたばかり。夫恋しい、肌恋しいと泣き暮らしていた自分を「夫婦グセの重症」だと自覚する。
       そんな美土里が未亡人

    • 2025年6月3日
  • 銀河短歌会
    銀河短歌会

      蕾かたき桜の小枝購いぬ窓の日向(ひなた)は早々と春桐渓 淑子
      終活に備えて先ずは手紙類一通ごとに声まで聞こゆ神成 靖子
      裏山の冬枯れの木々に朝日映え赤味をましてしばし眺むる岡田 京子
      わたくを誘うはバ

    • 2025年6月3日
  • やまなみ俳句会/苫小牧ホトトギス会/結ひの会
    やまなみ俳句会/苫小牧ホトトギス会/結ひの会

      かはいいと蒲公英増やす夫の畑小松冨佐子
      水盤に敷きたる青い蜻蛉玉
      坂口 悦子
      散る桜路肩の水の華やげり
      山角 瑞希
      幾人の故人の笑顔黄たんぽぽ舘崎やよゐ
      虎杖の丈なす速さ川の縁高木美代子
      一枚の絵画の

    • 2025年6月3日
  • 「かずをはぐくむ」/森田真生著、西淑(絵)/間違えるという豊かさ
    「かずをはぐくむ」/森田真生著、西淑(絵)/間違えるという豊かさ

       生まれたばかりのわが子が、いつか言葉を覚え、数を数えたり計算したりするようになる。2児の父親で、数学を修めた著者も、その日を楽しみにしていた。しかし、規則通りに計算するだけの機械より、新たな概念が芽

    • 2025年6月3日
  • 「多 動 脳」/アンデシュ・ハンセン著     久山葉子訳
    「多 動 脳」/アンデシュ・ハンセン著     久山葉子訳

       「スマホ脳」などベストセラーを連発した著者の最新刊。多動、衝動性、注意困難が特徴のADHDについて、遺伝性の脳の特質であり、決して疾患や障害ではないと強調。その特質は、ヒトが狩りで暮らしていた太古の

    • 2025年6月3日
  • 「和菓子の京都増補版」/川端道喜著
    「和菓子の京都増補版」/川端道喜著

       室町時代から続く京都の老舗和菓子店の十五代目当主が残した名著が35年ぶりに復刊。柔らかい語り口でつづる菓子作りと京都への思いは色あせるどころか、ますます重みを増して読者に迫る。「御粽司(おんちまきし

    • 2025年6月3日
  • 「警察官の心臓」/増田俊也著/目そむけられぬ問題
    「警察官の心臓」/増田俊也著/目そむけられぬ問題

       いま目に見えているものが善なのか悪なのか。難しい判断です。しかし人に対する印象にしろ事件の捜査にしろ、見えているものだけで決めつけない。そのことの大切さが本書の底流にはくっきり流れています。
       愛知

    • 2025年6月3日
  • 「黒蝶貝のピアス」/砂村かいり著
    「黒蝶貝のピアス」/砂村かいり著

       元アイドルの菜里子の下で働くことになった環。かつての憧れの人を前に胸を高鳴らせるが、人付き合いが苦手な菜里子と打ち解けられずにいた。それでも、仕事を通じて次第に心を通わせていく。複雑な家庭環境で育っ

    • 2025年6月3日
  • 善悪を問うファンタジー/「皇后の碧」を書いた/阿部智里さん
    善悪を問うファンタジー/「皇后の碧」を書いた/阿部智里さん

      「読んだ人の中に何かが残る作品を書きたい」と話す阿部智里さん=東京都新宿区 緻密に構築したファンタジー世界と多様なキャラクターが人気の作家、阿部智里さんが最新作「皇后の碧(みどり)」を刊行した。「今を

    • 2025年6月3日
  • 「新版いくさ世を生きて」/真尾悦子著
    「新版いくさ世を生きて」/真尾悦子著

       凄惨(せいさん)な沖縄戦の戦場を逃げ惑い、辛うじて生き延びた住民の女性たちの証言を伝えるルポルタージュ。記録作家が終戦から30年余りたって聞き取った体験談は鮮明だ。飢えに苦しみ、撃たれ、友軍にもおび

    • 2025年6月3日
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