政府は10日の閣議で、2025年版の交通安全白書を決定した。20~24年の5年間の交通事故を分析したところ、歩行中に死亡するか重傷を負った小学生1830人のうち、33・5%に当たる613人が「飛び出し」をしていたと指摘。事故を未然に防ぐため、保護者対象の講習や参加・体験型の交通安全教育の推進が重要だと訴えた。
小学生では「法令違反等」があったケースが約6割に上った。内訳は飛び出しに次いで「横断違反」(16・9%)が多く、「信号無視」(3・2%)、「路上遊戯」(3・1%)と続いた。対照的に全年齢層では、3万8480人のうち「法令違反等」のないケースが約6割を占めた。
21年6月に千葉県八街市で飲酒運転のトラックが小学生の列に突っ込み、児童5人を死傷させた事故を受け、政府は緊急対策を実施した。白書は歩道整備などの安全対策を全国7万6404カ所でおおむね終えたと報告。国、地方自治体、警察、学校などが合同点検を実施し、改善を図っていくとした。
最高速度を30キロに規制する「ゾーン30」を24年度末までに全国4410地区で整備したことも紹介した。