【ワシントン、シリコンバレー時事】米ロサンゼルスで広がった不法移民検挙に対する抗議活動が10日、ニューヨークやシカゴなど各地に飛び火した。トランプ大統領は、暴徒化したデモ参加者を「動物」「雇われ反乱者」などと呼び、軍派遣を含めた締め付けを強化する考えを示した。ホワイトハウスで記者団に語った。
一方、ロサンゼルスのバス市長は、略奪や暴力に歯止めをかけるため、市中心部の一部に夜間外出禁止令を出すと発表した。10日夜から発効し、数日間続く見通し。
トランプ氏は、軍の治安維持権限を拡大する「反乱法」を発動する可能性について、「反乱が起きればもちろん発動する」と言及。既に派遣された部隊の活動は「危険がなくなるまで」続くと述べた。トランプ氏の強権的な手法に批判が強まる中、「(不法移民の)送還を続ける」と強調した。
政権はロサンゼルスのデモ対応に当たる警察当局の支援のため、9日までに最大4000人の州兵と海兵隊700人を動員。国防総省は、派遣費用が計1億3400万ドル(約194億円)に上るとの見通しを示した。
海兵隊部隊は10日、ロサンゼルスの市街地に到着した。カリフォルニア州のニューサム知事は同日、「(治安維持に関する)州の権限を侵害した」として、海兵隊の活動制限を求めてトランプ氏を提訴した。ロサンゼルス市警によると、抗議活動ではこれまでに約150人が拘束された。
また、CNNは、ニューヨークで数百人が抗議活動に参加し、数人が警察に拘束されたと伝えた。シカゴではデモ行進が行われた。