1軍に復帰して2試合目、迷いのない鋭い一振りに、百戦錬磨のすごみを感じさせた。不調に苦しんできた巨人の坂本が一回、満塁走者一掃の二塁打。勝利を引き寄せ、阿部監督は「勇人（坂本）が打ってくれたのでチームも盛り上がった」と振り返った。

　一回2死から岸田の中前打で1点を先制。さらに満塁として7番坂本に打席が回った。ソフトバンクの前田純の初球を振り抜くと、打球は左中間へ。「岸田が良い流れをつくって回してくれたので、それに乗せてもらった」。勢いに乗ったチームは、二回にも2点を加えた。

　開幕から打撃不振で2度の2軍落ちを経験。桑田2軍監督は、全盛期の感覚を取り戻すよりも「今の自分のベストは何かを見つけるべきだ」と坂本に助言したという。試行錯誤の末、約1カ月ぶりに1軍に戻った10日の試合は、2安打1打点と奮闘。36歳は「ちょっと打てるかな、というイメージが出てきた」と復調の兆しを感じている。

　不動の4番岡本をけがで欠く巨人。苦しい戦いが続く中、長くチームを支えてきたベテランが働けば反転攻勢のきっかけになる。