随意契約で放出された政府備蓄米が11日、苫小牧市内のスーパーでも販売が始まった。スーパー道内大手アークス(札幌市)が先陣を切り、傘下のラルズ(同)が運営する市内の「スーパーアークス」3店舗で発売。このうち明徳店(市明徳町)では午後3時から、2021年産の「古古古米」を5キロ1933円、150袋限定で店頭に並べ、市民らは待望の「安い米」に列を成した。
同店では販売開始の3時間以上前から買い物客が並び始め、150人以上の行列ができた。備蓄米を買えた市民らは大喜びで、市川沿町の無職小野寺勝治さん(81)は「毎月米を5キロ食べるので、年金暮らしの身にはありがたい」とほっとした表情。市有珠の沢の主婦竹本ひろこさん(65)も「食べ盛りの孫たちに届けたい」と笑顔を見せた。
アークスが確保した150トンのうち、ラルズは初回納品分20トンを道内全72店で販売した。同社の樋口裕晃常務営業本部長は「納品されたら、すぐに精米してお届けしたい」とし、次回納品分は14日の開店時から全店で売る方針を示した。また、銘柄米の価格は依然高値が続いているが、「備蓄米の放出が続けば、徐々に落ち着いていくのでは」と話した。
随意契約備蓄米の入荷を予定する市内の主なスーパーのうち、コープさっぽろ(札幌市)では今月下旬にも店頭に並び始める予定だが、イオン苫小牧店、MEGAドン・キホーテ苫小牧店は未定。コンビニエンスストアは、ローソンが14日に販売を始める予定で、各店の初回入荷は2キロパックが2袋程度の見通し。ファミリーマートは今月中旬の発売、セブン―イレブン・ジャパン、セイコーマートは未定。