24年度売上高過去最高2280億円 トランスアクスル好調で押し上げ トヨタ北海道

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  • 2025年6月14日
トヨタ自動車北海道の売上高推移

 苫小牧市勇払の自動車部品製造業、トヨタ自動車北海道(高橋慎弥社長)は13日、2025年3月期(24年度)業績を発表した。売上高は前期比14・2%増の2280億円で過去最高となった。3期連続の増収決算で、4期ぶりに2000億円の大台も突破。ハイブリッド(HV)車向けの部品が好調で、トヨタグループの量産拠点として存在感を発揮した。

 売上高は前期比284億円増で、従来最高の20年度(2037億円)を243億円上回った。製品の販売台数は、無段変速機(CVT)、ダイレクトシフトCVT、HVトランスアクスルなどの「トランスアクスル」が12・7%増の127万4000台、四輪駆動部品「トランスファー」が9・4%増の63万8000台だった。

 同社は昨年2月に6速AT(自動変速機)の生産を終えた一方、同3月にトヨタ自動車(愛知県)のHVシステム「第5世代」向けでは初の部品受注となる、HVトランスアクスルの新機種「PA10」の生産を開始。屋台骨を支えてきたATラインが工場から姿を消したが、トヨタグループ内でHV部品の量産拠点としての地位を確かにした。

 「PA10」の生産能力は月産2万台。搭載車種は当初カローラクロスのみだったが、オーリス、イノーバと海外向け車種にも拡大し、同社は「順調に立ち上がり、伸びてきている」と説明する。従来のHVトランスアクスル「P910」も好調で、トランスファーも堅調に推移した。

 同社は売上高の過去最高更新について「物価やエネルギー価格の高騰による製品の価格調整も要素としてあるが、トランスアクスルの好調が売上高を押し上げる要因になった」と話す。昨年のトヨタ自動車の認証不正問題では、トヨタ北海道の部品搭載車種も出荷停止に含まれたが、「製造ラインを止めることなく、調整しながら生産し、大きな影響はなかった」という。

 今期も道内最大のものづくり企業として、従業員3500人規模を維持しながら製造活動を続けているが、米国向けにも生産部品が輸出される中、今後懸念されるのが「トランプ関税」の行方とその影響。同社は見通しへの言及は避けつつ「粛々と動向を見守り、トヨタ自動車の注文に応じていく」と述べるにとどめている。

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