東京都議選が13日告示された。7月の参院選の行方を占うとされ、全国的に関心が高い。昨年の東京、兵庫の知事選に大きな影響を与えたSNSが都議選、参院選でも威力を発揮するか、投票率は上がるのか―にも興味が湧く。
そのSNSに関し、気になる動きが出てきた。NHKニュースによると、「投票内容が書き換えられる」とか「不正選挙が行われる」などの根拠のない偽情報がSNS上に広がっているという。鉛筆だと書き換えられるので投票時にボールペンやマジックを持ち込むよう呼び掛ける投稿もあるそうだ。
書き換えはおよそあり得ないことだが、実際の開票作業を見ればなおよく分かる。平成の初め、東京23区の中で開票作業にかかる時間を1分でも1秒でも短くしようと奮闘する区を取材したことがある。机の配置はもちろんのこと、票の仕分けにイチゴパックを利用したり、素早く動けるようスニーカーを履いたりと、あらゆる努力を重ねていた。開票の速さと正確さ、何より選挙事務への信頼を大切に仕事をしてきた人たちが、この投稿を見たらどう思うだろう。インクがにじむなどして記載内容や他の投票用紙に影響を与えることがない鉛筆が、最も適していることも付言したい。(吉)