苫小牧市は7月から、今後のまちづくり施策を盛り込んだ「市未来まちづくり戦略」に基づく都市再生コンセプトプランの推進事業を進める。GX(グリーントランスフォーメーション)人材や次世代人材の育成プログラム開発、移動需要に対する新たなサービスの実証など新規・既存事業を計画。今年度から3カ年かけて各種施策・事業を発展させていく考えだ。
同戦略は、ソフトバンク(東京)のデータセンター建設や次世代半導体関連産業の進出、JR苫小牧駅前の再整備、GXの動きなど、近年の社会的変化に合わせて見直した取り組み。2024年度にまちづくりの在り方検討調査で議論し、「産業振興」「快適な住環境」「交通物流」の三つをキーワードにまとめた。
今年度の主な取り組みとして、▽GX人材の育成・確保に向けたプログラムの開発▽科学、技術、数学、芸術・教養などを関連づけ、社会の課題を解決できる能力を育てるSTEAM(スティーム)やグローバルなど環境教育の充実に向けたカリキュラムの開発▽東西の移動効率化に関する検討▽(苫小牧港と新千歳空港の)ダブルポートを生かした物流機能の検証―などを想定している。
また、金澤俊市長をトップに市幹部や外部有識者でつくる「未来まちづくり戦略本部」、産学官の有識者で構成する「まちづくり在り方検討会議」の運営支援も担うという。市は7月にも委託業者を決定し、各種事業を動かしていく計画という。
GX人材カリキュラム・プログラムを活用した企業向けセミナーや実証事業、特色ある教育を学校現場へ波及させるなど、次年度以降の取り組みも視野に入れており、市未来創造戦略室は「3年間で各種事業を徐々に進化させていきたい」と話す。
都市再生コンセプトプラン推進事業費は2億円で、このうち半分を国の「新しい地方経済・生活環境創生交付金(第2世代交付金)」で賄う。19日開会の市議会定例会に関連事業費を盛り込んだ25年度一般会計補正予算案を提出する。