職員に協働呼び掛け 白老町立病院の経営改革始動

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  • 2025年6月17日
経営改革の意義や方針について語った西科さん

 白老町立国民健康保険病院(清野康生院長)は12日、全職員対象の病院経営改革キックオフ会を外来待合ロビーで開いた。4月に着任した西科純経営監が、病院経営の立て直しに向けて院内の課題と改革方針を説明した。職員の勤務時間後、自由参加とし、全職員の6割に当たる61人が参加して耳を傾けた。

 同院は医師不足による診療体制の弱体化などで医業収益が伸び悩み、一般会計からの多額の繰り入れで運営を維持している。ただ、町の財政も人口減少などで余力はなく、持続可能な地域医療の実現には「医療現場そのものの在り方を見直す必要がある」と現場に意識改革を促している。

 西科さんは「収益確保は町民に必要な医療を未来につなぐ手段」と強調した上で、業務効率の改善、地域連携の強化、病院の広報活動、職員による自発的な課題解決チームの創設など多角的な改革を提案。「仕組みから変える経営」に踏み出す考えを示した。

 大塩英男町長は「病院は地域医療の政策拠点。住民に信頼される体制づくりを急ぎたい」と述べ、職員に「経営に全員参加する意識を持ってほしい」と求めた。

 白老町の高齢化率は5月末時点で47・4%に達し、病院経営の存続は町政の根幹課題。西科さんは「改革の鍵は、理念だけでなく行動にある」と病院職員と町民の協働による再建への決意を強調した。

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