苫小牧市がまとめた2024年度のスポーツ合宿等助成金実績によると、道内外の実業団や学校、クラブなどのスポーツ団体が市内で行った合宿は、前年度比約2割増の112件だった。19年度以来5年ぶりに100件を突破し、コロナ禍前のピークにはまだ届かないもののV字回復を果たした。
前年度の95件と比べて17件増。主な競技別内訳は、夏場に需要があるアイスホッケーが35件で最多。以下、バスケットボールが28件、陸上競技が19件、サッカーが13件、野球が8件と続く。人数は401人増の2623人、延べ宿泊数は998泊増の8005泊に上った。
市は15年度から、市内で合宿を張る団体利用者に対し、費用負担額の一部を支援するスポーツ合宿等補助制度を実施。1回の合宿における延べ宿泊数(人数×宿泊日数)につき、各競技トップ組織相当の日本連盟や協会など中央競技団体が主導する合宿に対して1人当たり「1泊2000円」、地方競技団体などそれ以外の団体に「1泊1000円」を補助している。
市のまとめによると、合宿は17~19年度に年間100件を超えるペースで推移していたが、20年度はコロナ禍による行動制限もあって28件まで減少。21年度以降は徐々に持ち直し、23年度は4年ぶりに2000人を超えるなど回復していた。
一方、冬は屋外スポーツが限定され、宿泊施設も閑散期になる課題も。苫小牧の強みでもあるスケートやアイスホッケー競技で、全道、全国規模の大会などがあれば一定の需要が見込めるが、持ち回りが一般的で毎年保障されてはいない。
市は今後の目標として27年度までに、合宿を年間180件と設定。市スポーツ都市推進課は「入り込みが少ない冬場の閑散期に、どれだけ寄与できるか。観光面を含めて対応していかなければ」と話し、「前後の合宿も含めて地元チームの競技力向上や閑散期の観光の手助けになれば。アプローチを含めて考えていきたい」と展望する。