地図とにらめっこをするのが好きです。現在の地図と、その場所の古い地図を交互に眺めて、変わった部分を発見することが楽しい。まち歩きも好きです。古い建物などを見つけると、昔のここはどんな様子だったんだろうと思い、図書館の郷土資料室に行って少し前やだいぶ前の地図、記録された資料や、古い時代の新聞を見ます。昔の地図を片手にまち歩きもします。そうしてたくさんのまちを歩いた結果、見えてくるものも数多くあるのです。
自分の頭の整理に地図を書くこともあります。「以前はここはこうだったんだよ」などと聞くと、当時を想像して残っている資料などを使って書き込んでいきます。そうやって私の頭の中はいろいろな時代や場所を行ったり来たりするのです。
まちは少しずつ変わっていく生きものです。残す、壊す、それはさまざまな事情によります。壊してしまったら、そこに何があったかを思い出すのは難しい。古い地図や写真や当時を生きた人たちの証言は、その当時の町の息遣いを知る大きな手掛かりです。
郷土史は、変わっていくまちの様子を記録し、そこに生きた人たちの声を記録し、積み重ねていく大事な作業だと思います。記録したことによって過去に生きた私たちのご先祖さまも現在に生きることができます。郷土の歴史が、これからの私たちの指針になることもあります。先輩たちがどんなまちづくりをしてきたか、その結果はどうだったか、歴史はさまざまなことを私たちに教えてくれます。
(苫小牧郷土文化研究会理事)