シシャモ今年も休漁 3年連続 資源回復へ苦渋の決断

 むかわ町は19日、資源の減少により2023年、24年と休漁になった町魚のシシャモについて、今年も休漁になることを報告した。鵡川漁業協同組合と苫小牧漁協、ひだか漁協で構成するえりも以西海域ししゃも漁業振興協議会や関係者が協議し、資源回復を目的に苦渋の決断をした。

 

 同日開会した町議会定例会の行政報告で、竹中喜之町長が報告した。

 

 町によると、23年度の遡上(そじょう)数や夏の海水温、24年春の稚魚調査などのデータを基に、関係者が慎重に協議。資源回復を示す数値が低水準にとどまっており、持続可能な漁に向けて最大限の対応が必要―と3年連続の休漁を決定したという。

 

 町は同協議会などの判断を尊重し、資源調査、11月1日の「むかわ町ししゃもの日」のPRなど「未来につなぐ鵡川ししゃもプロジェクト」を展開する。

 

 休漁では、漁業や水産加工業、飲食、観光など幅広い分野への影響が懸念される。竹中町長は「町内の加工業者は優れた技術でシシャモを加工、販売している。町の歴史と伝統に深く根差している鵡川産ししゃもの復活へ、取り組みを進めたい」と述べた。

 

 鵡川漁協と苫小牧漁協で構成する胆振管内ししゃも漁業振興協議会の調査で、鵡川のシシャモ推定遡上数は、18年に89・1万匹だったが、19年に57・8万匹、20年に25・9万匹、21年に5・8万匹、22年に3・5万匹と減少し続けた。

 

 23年は13・5万匹、24年は27万匹と2年連続で増加したが、資源維持の目安とされる60万匹には届かなかった。

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