九回2死。ロッテの西川の打球が中堅手の近本のグラブに収まると、甲子園に勝利を告げる「六甲おろし」が鳴り響いた。セ・リーグ首位の阪神が連敗を7でストップ。藤川監督は「ミスしても立ち向かい続けることが大事。きょうの姿を、またあした以降も見せてほしい」と笑顔で話した。
前夜は1得点に終わった打線が奮起した。三回1死三塁から、森下が右前にぽとりと落とす先制適時打。一回の好機で凡退していただけに、「何とか先制点につなげたいと思った。しっかり打ち返せてよかった」。五回にもミスにつけ込んで追加点を奪うと、八回には佐藤輝の19号2ランなどで勝利を決定づけた。
投げては今季2度目の先発となった伊藤将が粘りの投球。三回まで毎回先頭打者の出塁を許したものの、「冷静に落ち着いて投げることができたと思う」。最大のピンチとなった六回1死満塁も犠飛による最少失点でしのぎ、昨年7月以来の白星を手にした。
最大14あった貯金は半分まで減らしたが、交流戦でセの他球団が苦戦していることもあり、ゲーム差はそれほど詰まらなかった。「勝ちが全て。(交流戦の)残り4試合、気を引き締めてやっていきたい」と森下。嫌な流れを断ち切り、首位固めといきたいところだ。