北海道エアポート(HAP、千歳市)は5日、空港所在自治体などで構成する道内空港受入体制整備実行委員会、日本航空(JAL)、全日本空輸(ANA)とインバウンド(訪日客)需要に対応するため連携協定を結んだ。新千歳空港に国際便が一極集中する現状を緩和し、地方空港にも誘客して道内全域に経済効果を波及させる狙いで、受け入れ体制の整備や強化などで連携する。
同実行委はこの日、HAPが管理・運営する道内7空港のうち、新千歳を除く6空港(稚内、釧路、函館、旭川、帯広、女満別)の所在地である旭川、函館、稚内、釧路、帯広、網走の6市、上川管内東神楽町、オホーツク管内大空町と発足。HAPの蒲生猛社長、同実行委委員長を務める菅野直行旭川市副市長、林浩一JAL北海道支社長、本田嘉彦ANA千歳空港支店長が連携協定に署名した。
今後も増加が見込まれるインバウンド需要を取り込むため、グランドハンドリング(地上支援業務)の確保など、課題の解決に連携して取り組む。まずは新千歳とともに国際定期便を通年運航する、函館、旭川の両空港の拠点強化事業を進め、空港業務を担う人材の採用や研修活動を支援する。
また、他4空港で国際定期便の受け入れに向け、新千歳や羽田からの応援派遣にも取り組む他、チャーター便などに応じるため、応援人員の宿泊費や交通費も支援する。今年度は、HAPと各自治体で事業費5000万円程度の予算を組み、今後は実行委には道も参画予定という。
蒲生社長は「日本では例がない画期的な協定」と強調し、「全国的にも注目されている。うまくいけば東北、九州とも一緒にできる。成功させたい」と意欲。菅野委員長も「地方空港が国際線を受け入れることで、道内全域で交流人口が増える」と期待を込めた。