アイスホッケーで昨シーズンの国内栄冠を勝ち取った苫小牧のチームがある。70歳代の競技愛好者が集う苫小牧70sだ。2年連続の出場となった生涯スポーツイベント、全日本オールドタイマー大会第8回オーバー70(4月7日まで、八戸市)で出場6チームの頂に初めて立ち、気勢を上げた。
1日1試合の実施。通常のシニアより5分少ない1ピリオド15分制。ボディーチェックは無し、1試合で3回ペナルティーを受けた選手は退場するオールドタイマールールの下、抽選で割り当てられる2チームと試合を実施した。
勝ち点制で、同点の場合は総ペナルティー時間の少ない方が高順位となる。並行の60歳代によるオーバー60部門は今年で第12回を数えた日本アイスホッケー連盟の主催事業だ。
初戦はバンスターO70(東京)と当たり、3―2で競り勝った。監督兼選手の福田茂(出場時77)は「前回に引き分けた相手」と警戒。ゲーム前に「勝っても負けても一生懸命試合をやろう」とメンバーに呼び掛けた。同点で進んだ第3ピリオドに鎌田健志(同73)が気を吐き、勝ち越し弾を決めて逃げ切った。
最終日には東京キングスO―70を8―6で振り切った。旧日本リーグ国土計画の名FWとして一時代を築いたエース星野好男(同73)がいるチーム。開始から激しい点の奪い合いの様相で、星野は終了間際までに4連続得点。苫小牧は負けずに年齢特例選手の岡村利行(同67)が5得点し、2勝目。苫小牧以外は1勝1分が2チーム並んだのが最高で、初優勝決定に沸いた。
オールドタイマー大会出場を目指した2018年の前身チーム結成時、メンバー7人からのスタートだった。
昨年、熊本で開かれた大会に年代メンバーを集めて苫小牧70sとして初出場し、優勝には至らなかったが奮戦。遠征費は自費だが、マスターズならではの大会のムードを味わったメンバーは再参加を誓っていた。
続く昨シーズンは9月から毎月2回ほどの練習を夜間に市内のリンクで行い、今年の大会に備えた。同時開催するオーバー60と合同の前夜祭では全国から集まった同好の士が一堂の下で、酒をくみ交わして交流する。当地育ちで連盟審判・役員も長年務めた福田は「苫小牧出身者が全国各地にいて、アイスホッケーを今も続けていることを実感しますよ」と笑顔で語る。
来年も開かれる全日本オールドタイマー。福田は「出ることが目的。9月からまた練習しようと思っています」。70歳代のディフェンディングチャンピオンとして、「氷都」の名の下に集うチャレンジャーたちと参戦する考えだ。