北の大地、熱戦に沸く【国スポ・総括】

  • アイスホッケー, スポーツ, その他のスポーツ
  • 2024年2月6日
少年・決勝〔北海道―青森〕相手ゴールへ攻め込む北海道の選手(緑)
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成年・決勝〔北海道―東京〕序盤の2点目を喜び合う北海道
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スピードスケート少年男子1500メートルで優勝した日下
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フィギュア少年女子、ショートプログラムで強い女性を演じた岩本
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抜きつ抜かれつの激しい先頭争いが繰り広げられたショートトラック成年男子500メートル
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 1月27日から2月3日まで、氷都・苫小牧で18年ぶりに開かれた第78回国民スポーツ大会冬季大会スケート競技会・アイスホッケー競技会「とまこまい国スポ2024」。1700人を超える選手、役員らが全国から参加し大舞台の熱戦譜をつづった。地元やゆかりの選手の活躍、北海道代表などを中心に各競技を振り返る。

 ―少年の部・前人未到の21連覇

 13都道府県が出場したアイスホッケー競技の少年の部は1月31日~2月3日、ネピアアイスアリーナなどで行われた。大会直前まで、青森開催のインターハイで競っていた道内チームから選手が集結した北海道。21連覇が懸かった「アイスホッケーのまち・苫小牧」の地元開催大会を見事制し、喜びを分かち合った。

 準々決勝から登場した北海道は初戦で大阪を相手に24得点、準決勝でも東京に10得点と圧勝した。対青森の決勝では駒大苫小牧のFW城野が先制点を挙げて勢いをもたらし、チームは8―4と勝利した。

 競技人口が減少する中、今後のアイスホッケーの発展につながる活躍を見せた選手たちのさらなる躍動に期待したい。

 ―成年の部・激闘乗り越え栄冠

 26都道府県が出場し、1月31日~2月3日の日程で行われたアイスホッケー競技の成年は、北海道が8連覇を果たし地元を沸かせた。

 シード枠で2回戦から始動した北海道は、福岡に16―0と快勝。準々決勝は青森に5―3、準決勝は大阪に7―4と苦しい試合を乗り越え、決勝では東京との激戦を制して6―3で栄冠をつかんだ。

 大会に向けたチーム結成から1週間。1月末に室蘭市で3日間、合宿して調整し、短期間で「チーム」として団結。試合を重ねるごとに連係を高めていった。

 メンバー全てが社会人の北海道。決定力を生かして4戦全てに先制点を挙げ攻守で強さを見せた。都府県代表の主軸となった大学生のスピードあるプレーに対応し、一度もリードを許すことなく大会を勝ち上がったカギは「圧倒的な経験値の差」だ。連覇を達成し、圧巻のプレーで道民や他チームの選手らに感動を与えた。

 ―地元の大舞台、岩本が堂々の4位

 フィギュア競技は1月28~31日、ネピアアイスアリーナで行われた。北海道代表として苫小牧から3選手が出場したほか、世界選手権3連覇を目指す世界女王・坂本花織や元五輪選手の織田信成なども名を連ねた。

 成年男子は北洋大を卒業し、今季から公務員スケーターとして活動する坪井聖弥が仕事と両立しながら練習を重ねての挑戦。自身が活躍することで「氷都・苫小牧」のフィギュア人口が増加することを願った。

 国スポ初出場で、幼い頃から切磋琢磨(せっさたくま)してきた白鳥SFCの加藤杏望と岩本愛子は、地元開催のプレッシャーの中で躍動。岩本は少年女子で4位に入賞した。大舞台での経験を糧にした3人の今後の活躍が期待される。

 ―北海道勢、出場全種目で入賞

 スピードスケート競技は1月28~31日にハイランドスポーツセンターで行われた。少年男女、成年男女ともに北海道勢が力を見せ、総合順位は長野に次ぐ2位で大会を終えた。

 少年男女は、男子2000メートルリレー以外の全種目で表彰台に上がる好成績を収めた。胆振・日高勢は日高町出身の日下賢将(帯広三条2年)が男子1500メートルで優勝した。

 成年男女では、長野や山形に先んじられる場面もあったが、欠場した女子1000メートルと同2000メートルリレー以外で入賞を果たした。地元勢は駒大苫小牧出の森野こころ(日体大2年)が女子1500メートルで3位、同3000メートルで浦河町出身のウイリアムソンレミ(小鍛治組)が6位に入った。

 ー国内最高峰のレースに会場熱気

 ショートトラック競技は1月28、29の両日行われた。北海道からは釧路商業高の1選手が出場した。苫小牧市内ではあまりなじみのない競技だが、会場となった新ときわスケートセンターの観客席は、全国から集った強豪選手を一目見ようと市民らが押し寄せた。

 最速45キロとも言われるスピードと、コーナーリングを滑らかにするため手を氷に付けながら、体を大きく傾けつつスピードを落とさないように曲がる技術、さらには駆け引きしながら相手を抜くタイミングを経験や戦略を駆使して順位を競う選手たちからは、熱い闘志がひしひしと伝わる。スリリングな展開が観客の目を引いていた。

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