第73回全国高校アイスホッケー競技選手権大会は22日、テクノルアイスパーク八戸などで準々決勝と準決勝までが行われた。準決勝は東胆振の駒大苫小牧が6―1で清水を破り、決勝へ。大会3連覇へ王手をかけた。北海道栄は、準々決勝で大接戦の末に駒大苫に3―4とあと一歩及ばず。苫小牧中央は0―5で白樺学園に敗れた。決勝は、準々決勝で白樺学園を4―3で下した武修館と、3大会連続の頂上決戦となる。【青森県八戸市、石川優介】
▽準決勝
駒大苫小牧6―1清 水
▽得点者【駒】福田(高嶋、中谷)中谷(大久保、高嶋)福田(三浦)岸部(三浦、高木)碇谷(山脇、柳田)三浦(城野)【清】宮﨑(杉江)▽GK【駒】工藤【清】吉田、梶谷
駒大苫小牧は第1ピリオド、DF福田が貴重な先制ゴール。GK工藤を中心に最少失点にとどめ、第3ピリオドには4得点を挙げて快勝。終始リードを保ったまま振り切った。
武 修 館4―3白樺学園
▽得点者【武】松田、北原(高橋、伊藤周)外久保(田中、鈴木)石川(田中、石井)【白】中村(大友)小岩(下山)村上桂(木戸、下山)▽GK【武】和田【白】大澤
▽準々決勝
駒大苫小牧4―3北海道栄
▽得点者【駒】柳田(大久保、寺内)山脇(福田、高嶋)碇谷(山口)大久保(高嶋)【栄】加藤伶(山賀、加藤大)西尾(加藤大)加藤伶(チャ・ジュンヒョク、磯崎)▽GK【駒】工藤【栄】チョイ・スフン
白樺学園5―0苫小牧中央
▽GK【中】高瀬
清 水6―3埼 玉 栄
武 修 館21―0水戸啓明
―ゲームプラン通り選手躍動、駒大苫小牧
やるべき事を徹底し、最後まで躍動した駒大苫が6―1で清水を破った。桶谷監督は「貴重な先制点を挙げ、ゲームプラン通りの良い形で試合を運べた」と振り返った。
第1ピリオド、DF福田がチームを勢いづける先制弾。試合60分間を通して、前線から速いプレッシャーをかけ続けて、パックを前で奪いチャンスにつなげた。
得点者のシュートスキルはもちろんだが、相手GKの前に立ち、視界をさえぎるプレーや細かいバトルの積み重ねが勝因の大きなポイント。「全道大会同様、清水らしさを打ち消すプレーを選手らが辛抱強くこなしてくれた」と話した。
日本代表のU20に選出され、チームDFの中心を担う福田はこの試合2得点と好調。「1点目はFW高嶋のパス、2点目は城野がキーパー前に立ってくれたおかげ。点を決めることができてよかった」と目を細めた。
日本一に王手をかけた駒大苫。決勝に向けて「3連覇が懸かる試合。全力で挑んで目標を達成したい」と力を込めた。
―道栄、集大成の熱戦
「最後まで諦めずに走り続け、今季一番の試合を見せてくれた」と道栄の小林監督。駒大苫と大接戦を繰り広げた選手らの頑張りをたたえた。
挑戦者として臨んだ一戦。「勝負の年になる」と踏んで歩んだ一年間の全てをぶつけ、集大成にふさわしい白熱した試合を展開した。
試合の組み立ては「徹底した守りから。DFゾーンの時間を少なくし、攻める姿勢を強く持つこと」。全員の気持ちを一つに、氷上では気迫のこもったプレーを見せた選手らが大奮闘。試合時間残り2分半、ベンチから3年生5人全員が出場し、1点差に迫る執念の3点目をもぎ取った。「彼らはチームの心臓。これまでよく引っ張ってくれた」と語った。
この試合2得点を決めたエースのFW加藤伶は「対駒沢を意識して取り組んできた3年間の全てをぶつけた。悔いなくやり切った」と胸を張った。
主将としてチームを支えてきたFW西尾は「負けてしまったが、最後の大事な試合でチームとして大きくまとまることができてうれしかった」と話し、「栄は全員が一つになった時に爆発的な力を発揮できる。来季はこの悔しさをばねにさらに上を目指してほしい」と後輩に託した。