アイスホッケーアジアリーグのレッドイーグルス北海道が先月あったプレーオフ準優勝で2023~24シーズンの戦いを終えた。前回シーズンまでGKコーチだった荻野順二監督がチームの指揮を執った。新体制での陣頭に立った1年目を振り返ってもらった。
―チームのパフォーマンスについて。
開幕は良いスタートを切れたが、シーズンを通せば良い時も悪い時もあった。選手それぞれ、特に若い選手が活躍してくれたし、自信になった選手もいたと思う。
最初のアウェーでの栃木日光アイスバックス戦(11月4、5両日)でしっかり2連勝したことで、勢いにも乗ることができたので、一つの鍵となった。
―レギュラーリーグ32試合で124得点(2位)、最少の78失点(1位)。それぞれの評価は。
攻め出し(ブレークアウト)からDFが攻撃参加することで、オフェンスゾーンへ数的優位に攻撃を仕掛けること(ラッシュ)ができ、得点を重ねることができた。守備面ではGK中心にそれぞれが守りの意識を高く持てていた。シーズンが始まる時にも「良い守りから良い攻め」をチームとしてやっていこうと言っていたので、数字だけ見れば、攻守がいいようにかみ合ったのかなと感じる。
―GKの成澤、小野田両選手を併用で起用した手応えは。
良かった。小野田もやれる力はあるので、アイスタイムがある中で、成澤としっかり競ってくれた。チームとして、成長を掲げる中、開幕から全員でホッケーをやって、1人1人が成長し、そこからチームとしても成長し、プレーオフを戦えるチームづくり―ということを描いていた。
―「成長」をテーマに2冠を目標にしたが、達成できなかった。
非常に残念。チームとして何も手にできなかった。最後、HLアニャンに負け、彼らが喜ぶ姿を見て「またこの景色か」と、とても悔しく感じた。「個」に目を向ければ、選手は成長しているので、それを次にどうつなげるか。選手もそうだし、我々も環境づくりなど来季に向けてやっていきたい。
チームとして大きく変化した1年だったので、選手とスタッフの関係を濃くする1年でもあった。土台となった信頼関係の上に、来季はさらなる成長を積み重ねる。今季は結果を残せなかったが、来季はこれを無駄ではなかった―という年にしたい。
―若手選手など、チームの雰囲気づくりで意識したこと。
選手がプレーをしやすい環境づくりのため、ユーモアを持ち、コミュニケーションをとることを意識した。「楽しい職場づくり」も大切な仕事だと思っている。
みんな一生懸命やってくれた。それぞれアイスタイムもあったので、当事者意識を持ってできた年だったと思う。これを次にどうつなげるか―というのを考えていってもらいたい。
―今季を踏まえた上での、来季のチームづくりの構想や課題は。
新たなメンバーも迎える。個別にアプローチして、今からできることをやりつつ、フィジカル面などを6月からスタートするトレーニングで強化していきたい。今季、個としては成長できた。これを結集し、次はチームとして結果を残していく。