流れ変える快勝 イーグルス敵地で完封

  • アイスホッケー, スポーツ, レッドイーグルス
  • 2024年4月5日
勝利を喜ぶレッドイーグルス北海道主将の中島(中央)ら=4日、アニャンアイスアリーナ(チーム提供)
勝利を喜ぶレッドイーグルス北海道主将の中島(中央)ら=4日、アニャンアイスアリーナ(チーム提供)
勝利を願う参加者たち=4日、ネピアアイスアリーナ
勝利を願う参加者たち=4日、ネピアアイスアリーナ

  先に3勝した方が勝利するアイスホッケーアジアリーグ2023~24プレーオフの第3戦が4日、韓国のアニャンアイスアリーナ行われた。ホームの苫小牧で2連敗し、崖っぷちに立つレッドイーグルス北海道は、HLアニャンに5―0と快勝して初白星。守備ではGK成澤が、レギュラーシーズンから今季2回目となる完封を果たした。第4戦は6日午後4時、同アリーナでフェースオフ。

  ▽第3戦

  レッドイーグルス北海道(1勝2敗)5―0HLアニャン(2勝1敗)

  ▽得点者【レ】相木(牛来、中島)今(中屋敷、三田村)高橋、髙木(山田、山下)中屋敷(中島、入倉)▽GK【レ】成澤【H】マット・ダルトン▽シュート数【レ】22【H】33▽反則【レ】14分【H】6分▽パワープレー得点【レ】1【H】0▽キルプレー得点【レ】0【H】0▽観客数922人

   レッドイーグルス北海道は序盤からの数的不利なキルプレーのピンチを選手たちの気迫のこもったシュートブロックやGK成澤の好セーブで守り切る。第2ピリオド、FW牛来が相手のパスをカットし、パックを拾った相木が先制点を挙げた。さらに2分後、FW中屋敷からパスを受けたDF今が左サイドからシュート。相手GKがはじいたリバウンドを自ら押し込み、貴重な追加点をもたらした。第3ピリオドにはFW高橋がペナルティーショットで得点するなどし、計5得点の大勝とした。

  ―強い気持ちで第4戦へ

   連敗の流れを大きく変えるゲーム内容だった。序盤から数的不利なキルプレーの時間帯を乗り切ってから先制点を挙げ、さらに相手を突き放しての快勝劇。精度の高いプレーでチャンスをものにしてきたHLアニャンの攻撃を前線からの粘り強いプレッシャーではねのけた。

   試合後に荻野監督は「成澤を中心に、選手全員が守りの意識を高く持って防いでくれた」と語った。今季で引退を表明しているベテランGK井上の名も挙げて「一日でも長くこのメンバーで同じ方向を向き、この勢いをしっかり次につなげていきたい」と力を込めた。

   貴重な追加点となる2得点目は、FW牛来とDF今が2人で前線を突っ走って押し上げ、守備の1人をかわして生まれた。得点した今は「(得点が)欲しい場面だったので、シンプルにシュートを打とうと思っていた。GKがはじいたので、しっかり押し込んだ」と振り返る。2連敗で臨んだ第3戦は「絶対負けないという強い気持ちを持って、リスクを減らすようなプレーを選択した」とし、「次戦も失点をしないプレーをすることが鍵になるので、継続してやっていきたい」と話した。

   無失点ゲームの立て役者で今季2度目の完封を果たしたGK成澤は「60分間通してリバウンドをコントロールすることなど、自分の仕事ができた」と充実感をにじませた。完封についてはプレーヤーの体を張ったシュートブロックも要因と感謝。序盤からキルプレーが重なったが、セーブを重ねるごとに調子が上がり、「集中力を保ってプレーすることができた」と語った。

   同ポジションのGK井上と同じチームでプレーするのも残り最大2試合。成澤は「昔から面倒を見てもらっていて、大好きな先輩」とし、試合前に井上から冗談交じりに「『きょうで終わらせるなよ』と激励された」と明かした。「まず1勝ではなく、『まだ』1勝。次は(HLアニャンが)もっとハードに来ると思うので、負けずにさらにハードワークをしていく」と闘志を燃やした。

  ―パブリックビューイングで熱い声援

   苫小牧市のネピアアイスアリーナ会議室では4日、プレーオフ第3戦のパブリックビューイングが行われた。定員数を超える100人以上のワシスタント(ファン)が詰め掛け、スクリーンに映し出される選手たちの勇姿に熱い声援を送った。

   参加者はチャンスには「行け」、ピンチに際しては「危ない」とゲーム展開に一喜一憂。第2ピリオドの先制場面では大きな歓声が上がり、好セーブを連発したGK成澤に対しては大きな拍手を送っていた。

   連敗した流れを吹き飛ばすようなゲーム展開に沸き返った会場。「次も絶対勝つぞ」と韓国で戦う選手たちにエールを送った。

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