第105回全国高校野球選手権記念大会南・北海道大会は24日、エスコンフィールド北海道(北広島市)で準決勝2試合が行われた。北海道栄は延長戦(十回タイブレーク)の末に札幌日大を6―2で下し、決勝進出を決めた。駒大苫小牧は北海に2―7で敗れた。決勝は25日午後1時から。道栄は春の全道大会決勝の雪辱を期し、当時の道日大以来48年ぶり2度目の優勝を目指す。
▽準決勝
北海道栄
1001000004―6
0100000100―2
札幌日大
(十回延長タイブレーク)
(北)石蔵、山崎―高村
(札)岡田、藤原―高橋、長尾
🉀斉藤(札)
🉁梶沼、新木(北)
🉂東海林、林(札)
北海道栄は初回にスクイズで先制。同点で迎えた延長戦では新木(3年)の三塁打などで4点を追加し、突き放した。
北 海
101100004―7
010010000―2
駒大苫小牧
(北)長内、熊谷、岡田―大石
(駒)大槌、大原、大森、袋井、大森―小池
🉀熊谷(北)
🉂成田(駒)
駒大苫小牧は五回、成田の二塁打で2―3と1点差まで迫ったが、最終回で4失点を許し、敗れた。
-駒大苫、心一つに届かなかった大舞台
最終九回に4失点を許し北海に敗れた駒大苫。佐々木監督は「粘り切れなかった」と振り返った。
五回に主将成田(3年)の二塁打で1点差に迫ったが、九回に四球や失策からチャンスを与えてしまい、5被打を浴びて離された。それでも「きちっとした野球はできなかったが、悔いはない」と言い切った。
「成田がいてこそのチーム。感謝している」と指揮官が全幅の信頼を置いた成田自身は「チャレンジャーとして泥臭く、粘って追い付きたかった。全員で戦い抜いた結果です」と涙ながらに話した。
バラバラな学年―と、3年生の先頭に立って主将を志願した。小さい頃に駒大苫の甲子園優勝を見て育った。「駒大苫で日本一を取る」と人一倍の思いを持ってプレーしてきた。仲間には「心に響く声を届けるように意識していた。ここまで一つになれて、みんなにありがとうという気持ちでいっぱい」という。
後輩に向けて「この悔しさを忘れずに、来年は自分たちの思いも背負って必ず甲子園に進んでほしい」と託した。
北 海 打安点
(8) 片 岡 311
(2) 大 石 410
(4) 今 北 411
(3)13熊 谷 333
(1)37長 内 420
(6) 幌 村 412
(9) 宮 下 510
(5) 関 400
(7) 小保内 310
1 岡 田 000
34117
振球犠盗残失
1640101
投手 回 安 責
長内 2 2 1
熊谷 3 2 1
岡田 4 2 0
駒大苫小牧 打安点
(6) 藤 森 400
(4) 藤 橋 200
H4 鈴 木 100
(8) 成 田 421
(7)171大 森 400
(2) 小 池 200
(3) 瀬 野 300
(9)7松 野 431
(5) 藤 田 300
(1) 大 槌 000
1 大 原 000
7 毛 利 210
1 袋 井 000
9 大 石 100
3062
振球犠盗残失
451272
投手 回 安 責
大槌 3 3 2
大原 1 3 1
大森 4 0 0
袋井 0/3 1 2
大森 1 4 2
北海道栄 打安点
(6) 梶 沼 420
(9) 加 藤 400
H 渡 部 100
9 福 島 000
(7) 新 木 414
(3) 下 山 310
(4) 岡 本 411
(2) 高 村 521
(5) 小 林 200
(1) 石 蔵 310
1 山 崎 100
(8) 神 野 410
3596
振球犠盗残失
643081
投手 回 安 責
石蔵 71/3 9 2
山崎 22/3 1 0
札幌日大 打安点
(6) 新 田 500
(7) 菊 地 520
(8) 林 520
(3) 斉 藤 422
(5) 石 井 410
(9) 東海林 420
(4) 板 垣 200
H 関 口 100
4 森 岡 000
(2) 高 橋 210
R 佐々木 000
2 長 尾 100
(1) 岡 田 100
1 藤 原 100
R 深 田 000
35102
振球犠盗残失
5150111
投手 回 安 責
岡田 62/3 7 2
藤原 31/3 2 1
―道栄 3番新木、打でけん引
延長戦にもつれ込む大激戦を北海道栄が制した。糸瀬監督は「1点を守り切る野球ができた。チーム一丸となって選手らがよく頑張った」と笑顔で話した。
初回、3番の新木(3年)はスクイズで先制点を演出。延長でも三塁打を放って3点と計4打数4打点の活躍でチームを勝利に導いた。「1本出て良かった。やっと3番らしい仕事ができた」と納得の表情を見せた。
投手陣も好投した。先発の石蔵(3年)はカットボールを多めにしてアウトカウントを重ね、七回途中まで2失点に抑えた。「行けるところまで投げた。後は山崎に託した」。継いだエース山崎も速い、遅いフォークを使い分けて決め球に。「相手はバッティングが強いチーム。長打に気を付けて低めに球を集めた。空振りや打ち上げてくれたので作戦通りだった」と目を細めた。
甲子園まであと一つ。春の大会の再戦となる北海との決勝を前に糸瀬監督は「点を取れば勢いに乗るのが道栄。思う存分楽しんで、最後は1点を守って甲子園に進みたい」と意気込みを語った。