道栄、勢いなく大敗 春季北海道大会

  • スポーツ, 野球
  • 2023年5月31日

 第62回春季北海道高校野球大会最終日は30日、札幌円山球場で決勝が行われ、北海が北海道栄に13―2で大勝、8年ぶり12度目の優勝を果たした。道栄は準決勝までの勢いがなかった。

 ▽決勝

北海道栄

000000200―2

10800121X―13

北  海

(栄)小原、石藏、山崎、平―高村

(北)熊谷、長内、岡田―大石

🉀今北(北)

🉁小保内、宮下(北)

🉂今北、片岡、大石(北)下山2(栄)

 道栄打線から快音が消えた。七回に下山の二塁打を足場に敵失などで2点を返したが、打線は終始つながらず。三回、2死から押し出しと5連打で8点を失うと試合の主導権は北海に傾いた。

―32年ぶり届かなかった栄冠

 32年ぶりの栄冠には手が届かなかった。道栄は三回に北海打線に捕まり、打者12人8失点の猛攻を浴びた。加藤代理監督は「北海の勢いを止められなかった。これだけの力量差があると分かったのは大きい収穫」と振り返った。

 先発マウンドには全道大会初登板の小原(2年)が立った。冬期間も練習に打ち込む姿に「全道で投げさせたかった。ぶつかっていけ―と声を掛けた」と期待した。しかし初回から長打が重なり、二回途中で降板。「後ろにもいい投手が控えていたので、継投策に切り替えた。総力戦でいくつもりだった」

 初の監督として挑んだ春季大会は全道準優勝という結果。室蘭シャークスで現役引退後、指導者として北海道栄に。5年目で初めてチームの指揮を執った今大会を「大変ながらも楽しかった」と振り返り、試合を通じて成長する選手たちの背中を頼もしく見詰めていた。悔しさからこぼれた選手たちの涙にも「それだけ頑張ってくれた証拠」と努力をたたえた。

―最後の夏へ、気持ち新たに

 この悔しさを、夏に返したい―。道栄のエース山崎は、目を真っ赤にしながらグラウンドに誓った。全道大会は全試合に登板し、エースナンバーを背負って強豪に立ち向かった。

 準決勝と決勝はどちらもリリーフ。決勝は4回3分の1を投げて自責点は5。ピンチでリリーフ登板も、流れを断ち切ることはできなかった。「エースなら抑えられる、という期待に応えられなかった」と肩を落とす。見つけた課題は制球力とボールの切れ、決め球の精度。「直球で勝負したかったが、北海打線には通用しなかった」

 昨年秋はけがで思うような投球ができなかった。つらく厳しい冬を越え、ようやくつかんだ背番号1。「チームの顔として、最後まで投げ切ることができなかった」と悔しがったが「夏までは少しの期間だが、課題を修正できるよう努力したい」と最後の夏へ気持ちを切り替えた。

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