第24回全国高校女子硬式野球選抜大会第4日は28日、加須きずなスタジアム=埼玉県加須市=などで3回戦が行われた。前回覇者の福井工大福井などが準々決勝進出を果たした。3回戦で敗れた駒大苫小牧は強豪を追い詰め、夏への期待が膨らんだ。
▽3回戦
駒大苫小牧
0000000-0
010000X-1
神戸弘陵(兵庫)
(駒)金高―山藤
(神)樫谷、伊藤―田垣
福井工大福井3―0作新学院(栃木)、横浜隼人(神奈川)6―5高知中央、神村学園(鹿児島)5―0京都両洋、折尾愛真(福岡)5―1開志学園(新潟)、岐阜第一9―2島根中央、履正社(大阪)8―1秀岳館(熊本)
駒大苫小牧 打安点
(4)3渡辺 310
(7)4篠崎 300
(6)鈴木 300
(3)渋木 200
R7三上 000
(5)佐藤 200
(9)川原 300
D五十嵐 200
H小林 100
(2)山藤 200
(8)白濱 110
2220
振球犠盗残失
940050
投手 回 安 責
金高 6 2 1
神戸弘陵 打安点
(2)田垣 300
(7)堀 210
(4)三村 200
D谷川 200
(9)田村 200
9中川 000
(3)西上 200
(8)真崎 200
(5)井上 211
(6)西田 100
1821
振球犠盗残失
051150
投手 回 安 責
樫谷 5 2 0
伊藤 2 0 0
-駒大苫 敗戦も攻守に手応え
強豪撃破まであと一歩だった。狙い通りロースコアの展開に持ち込み、息をのむ大接戦を演じた駒大苫。茶木監督は「投手中心に辛抱しながら、本当によくやってくれた」と健闘をたたえた。
粘り強く相手打線を抑える先発金高の力投に野手陣が応えた。1点を追う三回1死から安打と申告敬遠、四球で満塁の危機は併殺打。鋭い打球やファウルゾーンへの難しいフライも取りこぼしなくアウトにした。
グラウンド一面が雪で覆われた冬期間に「守備面の質の向上を求めてきた。その成果が出せた」と鈴木主将(2年)は言う。
無安打に封じられていた打線も五回に奮起。2死から8番山藤(1年)が死球で出塁すると、9番白濱(2年)は「つかんだチャンスをしっかり次につなごう」とチーム初安打。一、二塁となって1番渡辺は「下位が回してくれた。どんな形でも出塁する気持ちだった」と左前打で続いた。
相手の好守で惜しくも得点には結び付かなかったが、「夏につながる試合」と茶木監督は手応えを口にする。
集大成の全国選手権(7月、兵庫県)はあっという間に訪れる。鈴木主将は「チャンスで必ず一本が打てる、苦しいときにもう一つ我慢できるチームになっていきたい」と語った。
-エース金高「自信になった」
雨降る寒空のマウンドに立った駒大苫の左腕のエース金高(2年)は、悪条件さえ忘れるほど緊張していた。
「腕が振れていないし、脚もうまく使えてない」。全国舞台を楽しむはずが、初戦コールド勝ちの相手打線を意識し過ぎたという。制球力を武器にテンポ良く打たせて取るのが信条。しかし序盤は変化球の決まりが悪く、苦しんでいた。
二回の失点はそれが原因だった。2死二塁で8番打者を迎え、暴投で三塁に進まれるとカーブを要求する捕手山藤に何度も首を横に振り、投じた7球目の直球は中前へ運ばれた。「投げるのが怖かった」
それでも任されたマウンドは最後まで降りるつもりはなかった。初戦の2回戦で右腕のエース吹越(2年)が完投勝利。「2人に任せれば大丈夫と思われる投手になりたい。だから自分も続く」と心に誓っていた。
三回1死満塁の大ピンチをわずか1球でしのぐと、四回以降は気持ちを入れ直した。持ち前のテンポ良く投げ込むスタイルを意識。2回を三者凡退に仕留めるなど快投した。
多数の全国優勝経験を誇る相手に2安打1失点の完投は「すごく自信になった」と金高。「夏までに試合数をこなして、精神的にもっと強くなりたい。最後は日本一になる瞬間のマウンドに立っていたい」と夢を描く。