冬に鍛える―。苫小牧の還暦、古希野球チーム苫小牧シニア倶楽部が、今年1月にリニューアルオープンした苫小牧市矢代スポーツセンターで冬季練習に励んでいる。北海道選手権6連覇、全日本選手権上位進出が懸かる今季は結成10年の節目にも当たる。基礎体力強化やノック、ティーバッティングなど60歳を過ぎても尽きない野球愛を胸に、練習に汗を流す。
例年、拠点とする市内公園グラウンドが雪で覆われる11月~3月はチーム活動を休止。各自地域の公共スポーツ施設などを利用し体力維持に努めていた。
「冬期間のチーム練習は何度も模索してきたが、最適な場所が見つからなかった」と渡辺徹代表(74)。用途が限定的だった旧苫小牧市屋内ゲートボール場改修を機に、今年から週1回のチーム練習を企画。数時間にわたってラダー、ミニハードルを使ったアジリティー(敏しょう性)トレーニングや野球感覚を養うメニューに全員で取り組む。「モチベーションが全く違う。みんな生き生きしている」と代表は喜ぶ。
2013年8月に60歳から71歳の野球好き17人で活動を開始した苫シニア倶楽部。19年秋には古希チームを結成するなど、野球仲間を増やしながら結成10年の節目を迎える。
昨年は還暦カテゴリーの道選手権で前人未到の5連覇達成。10月の全日本選手権では初の8強入りを果たした。今季は道内連覇記録更新や全国上位進出が目標。古希チームは全日本大会初参戦など、節目を飾る舞台が控える。
加えて体制を一新。還暦は苫小牧東高野球部出身で苫小牧市役所クラブ時代に国民体育大会軟式野球成年(2003年)優勝を経験、苫小牧埠頭クラブなどでも活躍した金谷幸弘(61)が新監督に。金谷と共に国体優勝を知る先代の渡辺臣章(69)は古希の監督を担う。
金谷は就任時のあいさつで「全国優勝を目指す」と仲間たちに宣言。勝負の明暗を分けるのは守備面とし「昨年は肝心なところで連係ミスなどが出た。冬の練習で細かい部分を修正していきたい」とする。
今季から古希チームの一員となる渡辺臣監督は「冬の間に全員で体を動かしておけば、よりスムーズに野球シーズンに入ることができる」と期待。「まずはけがのないよう楽しく、そして全国で戦えるチームになっていきたい」と意気込んだ。