白老町で子育て支援をするNPOお助けネット(中谷通恵代表)は27日、町地域おこし協力隊員の鄭延雪さん(34)を招き、「女性が元気になる講座~いつも心に太陽を」を町コミュニティセンターで開いた。町観光協会で働く鄭さんは、幼少期に実母を亡くしたことや夫と出会い今は幸せなことなど自身の半生を語り、町民ら約20人が聞き入った。
鄭さんは中国東北部の黒竜江省ジャムス市出身。中国の全56少数民族のうち41民族が暮らしているといい「少数民族は土地の宝物」と述べた。しかし同国内に民族差別があることに心を痛めており、「互いの違いを認め、理解し合うことが大切」と訴えた。
鄭さんは白老町に定住し、「地域住民の優しさに触れ、平穏で充実した毎日を送っている。たとえ人生に亀裂が入ったとしても、そこから光が入ってくる」と語り掛け、「いつも心に太陽があれば、自分を励まし元気になれる」と力を込めた。
鄭さんは駅北観光商業ゾーン(ポロトミンタラ)の観光インフォメーションセンターに勤務し、SNS(インターネット交流サイト)を活用した多言語観光案内などに従事している。今月、自身がデザインしたキャラクター「ウェちゃん」人形を設置するなど独自の観光誘客事業も展開している。
お助けネットは年1回、町内で新たな活動に取り組む人などを招いて講座を開き続けており、15年ほどになるという。