厚真町の厚南中学校出身の川村羽海さん(15)=十勝管内幕別清陵高校1年=が、年末年始に厚真町へ凱旋(がいせん)し、取材に応じた。昨年は北海道高校陸上競技選手権大会の女子円盤投げで1年生にして優勝を飾り、続く全国高校総体(インターハイ)で5位に入賞するなど目覚ましい活躍をした。「円盤投げで45メートル以上」と今夏道内で開催されるインターハイでの栄冠を目指して新年の目標を掲げ、「プレッシャーはあるが、期待に応えて優勝したい」と語った。
川村さんは、苫小牧市生まれ。上厚真小学校、厚南中を経て昨年春、幕別清陵高に入学した。中学までは地元陸上少年団の厚真スローイングチームに所属して活動していた。
「目標以上の成績を達成できてうれしい。後悔のない1年だった」と振り返る昨年は、円盤投げで大きな飛躍を遂げた。6月に釧路市で開かれた道高校選手権大会で優勝を飾り、関係者に大きな衝撃を与えた。続く全国高校総体(8月、徳島県)では1年生で唯一決勝に残り、40メートル超えで自己ベストを更新する41メートル92の投てきを見せて5位入賞と健闘した。
勢いそのままに10月の国民体育大会・少年女子B(対象・高校1年、中学3年)=栃木県=で2位、続くJOCジュニアオリンピックカップ・第53回U16(16歳以下)陸上競技大会=愛媛県=では39メートル49で優勝した。
中学時代に記録や成績が伸び悩んだ時は「悪かった部分を次の大会で生かせず、ネガティブ思考に陥る」傾向があったという。高校の進路を決める際に同高校陸上部の西山修一監督の指導を受けたかったことに加え、「普段とは違う場所で陸上に打ち込み、気持ちの面でも成長したい」と環境を変えることを思い切って決断した。
下宿生活では食事を除く洗い物や洗濯、掃除など自らやらなければならないことが増え、「親がやってくれたことの大変さが分かった」。学校生活や勉強など、競技以外でも自らの判断で行動する場面が多くなった。競技力はもちろん、「他のことも努力することが大切」と精神面で大きく成長するきっかけになったという。
年末年始は実家のある厚真町に帰省し、家族や友人と楽しい時間を過ごした。地元の関係者から活躍を祝福されるとともに激励を受け、「その分も期待に応え、より強い気持ちで優勝したいと改めて思った」と言う。今年のインターハイの陸上競技は札幌市で予定されており、「地元なので思い入れも強い。いろんな人たちの期待に応えて、結果で恩返ししたい。プレッシャーも力に変えていく」と決意をみなぎらせた。